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■くすだまユニットでの異年齢グループワーク・カプラでのグループワーク・アイスブレーク
  詳細トップ (2014年9月8日) □異年齢グループワーク

               児童健全育成士田中純一






 

 異年齢グループワークの展開1 折り紙を使って 小グループの編成まで

 異年齢集団を巻き込んだ実際の展開事例について考えてみたい。
 放課後児童クラブや児童館での主に低学年を主体として中に、高学年も一緒に参加させてグループワークをする場合を仮定してみたい。
 ・人数が小学校1年〜3年までが40人程度、4年〜6年までが15人程度だとする。
 ・活動の内容は折り紙を使ったコマユニットやくすだまユニットの作成
  ・作品は特別養護老人ホームなどへの友愛訪問のお土産にする。
 ・時間的には90分くらい
 ・指導員は3人とする。
 始める前に、折り紙等がみんなで出来るように室内整理整頓・机を出すなどの作業=働くことが出る。低学年の子どもはゴミ拾いとか高学年の子どもは思い椅子を出すとかの仕事をすることになる。こうした働きは速やかにきちんと出来るようになることが大事である。また「始める前に美しく」との考え方を定着することが必要である。指導員が全て準備をして、子どもはお客様というのは間違いであろう。(こうなるのは、子どもを指導する力量に欠けているので、子どもに作業をさせるのが下手だからのことが多い。
 グループワークは最初から小グループを編成してやるとは限らない。まず、子どもたち全員にワーカーと他の職員が協力してくすだまユニットの基本ユニットの折り方を教える。これは学びであり、ケースワークである。もちろん上手く折れる子どもがいたら、その子どもにも出来ない子どもへの教える係を積極的にやってもらう。
 次に小グループの編成となる。55人の子どもを概ね1グループ6人から8人の8グループの小グループを編成させる。子どもたちがFace to Faceの関係に成れる人数が小グループである。この時の小グループ編成は意図的にワーカーが作ることもあるし、概ねの人数を決めて、高学年の子ども2人に低学年の子ども4人から6人とし、子どもたちの意思で決めることもあるだろう。55人の集団の発達段階によって、小グループ編成はワーカー主体になることもあるし、ある程度子どもたちの意見が大きくなることもある。しかしながら、特定の子どもを排斥するような小集団の結成をワーカーは許してはいけない。
 異年齢グループワークの展開2 小グループの編成から小グループ活動へ
 作った小グループの中で3枚のダイヤモンドユニットを完成し、グループの中でキャッチボールなどの遊びをやってみる。このことで小グループの凝集性が高まり、私感情から私たち感情へと仲間意識が向上する。この時に他のグループの活動はすべてオープンにすることを原則とする。小グループ活動をすると、グループ間が排他的となり、「スパイにくるな」「真似をするな」などの言動となることが多い。こうした言動はさせてはならない。小グループ内も小グループ間も助け合うグループでなくてはならない。
 当然のこととして小グループ内にもいざこざが起きる。起きるのが当たり前で起きない方がおかしいくらいと考えておくことが必要である。小学生期の子どもたちはケンカによって成長していくとも考えることが出来る。マンガアニメ「トムとジェリー」の主題歌のように「トムとジェリー なかよくケンカしな。」なのである。子どもたちはいざこざを起こし、それの解決手法を探ることで成長していく。いざこざが相手の心や身体を傷つけるようなら、上手いセーブが必要である。しかしながら、トラブルがないようにすることはあり得ないことと考える必要もある。
   異年齢グループワークの展開3 小グループでの本格的な活動
 いよいよみんなで3枚ダイヤモンドユニット・6枚コマユニット・12枚くすだまユニット・30枚くすだまユニット・90枚くすだまユニットの作成のグループワークが始まる。グループ間の能力差もあるので、簡単なものにするか、難しいものにするかあるいはオリジナルなものにするかはグループ内の自己決定の原則に任される。ワーカーが無理に一定の方向に決定させない方が良い。30枚くすだまユニットが能力的に無理であっても30枚くすだまユニットを作る選択をグループが選択をしたら、そのままにするのが良い。完成出来なかったとしても、完成出来なかったとの経験を積むことになる。くすだまユニットの場合は30枚の一つ一つのユニットで3枚ダイヤモンドユニットは10ヶ、6枚コマユニットは5ヶ・12枚ユニットは2ヶ作ることが出来る。ユニバーサルな折り紙である。30枚に挑んだのだが、90枚を作りたくなり、変更することもあるだろう。私自身90枚ユニットは30回以上挑んでいるが上手くいっていない。昔の同僚が90枚ユニットを作ったが本音悔しい。悔しいけれど作った同僚を讃える気持ちはある。グループワークの人間関係は讃える気持ちがないと困る。でも悔しい。
 異年齢集団での小グループの編成は、組み立ては高学年がやり、低学年は丁寧に1枚1枚のユニットを作るなどの分業となることが多い。まったく折り方が出来ない子どももいて、ただ1枚のユニットを折る練習で終わることもあり、それはそれで貴重である。
 十人十色ですから、こうした作業が嫌いな子どももいるものです。邪魔をするくらいなら違った活動をしていても良いと私は思います。「飽きた人は〇〇先生と一緒に体育遊戯室で鬼ごっこしようか」みたいなグッドタイミングな声かけが必要です。55人のグループなら、3人は指導員がいるわけですから、高学年と低学年でやりたい子どもにやらせて、半分以上の子どもが2人の職員と一緒に遊戯室へ出かけることもあります。グループワークは最初から最後まで全員が一緒の活動をするというわけではありません。また、「疲れたり、飽きた人は遊戯室で遊んでいいよ」との声かけに全員が止めてしまうようなら、活動自体に無理があったと反省することが必要です。90分のグループワークを設定して、60分経ったときに別のことをして良いと提案して、作業を自主的に続ける子が3分の1から半分いたら、グループワークは成功したと言えるでしょう。
   異年齢グループワークの展開4 終了過程
 90分のグループワークをやるとして、60分頃に飽きた子どもは少し休み、やりたい子どもが続ける。概ね、85分経ったら、もう一度みんなを集合させ、各グループの作品鑑賞をする。これはコミュニティワークの要素となる。児童館や児童クラブのグループワークは、最初に一人ひとりに説明するケースワークを包含している。次にグループワークの活動となり、最後のコミュニティワークとなる活動ととらえる必要性があると私は思う。
 みんなでの作品鑑賞等が終わったら、後片付けになる。始める前に美しくとの働きで基本的にきれいになっているから、片付けも楽になる。みんなで後片付けをするのは、働きの要素となる。児童館・児童クラブの異年齢を一緒にしたグループワークは、働き→学び→遊び→学び→遊び→働きといったサイクルでメリハリをつけ、遊びのみの活動であったり、働きのみの活動であったり、学びののみの活動でないように留意することが必要である。
 働き・学び・遊びがほどよく包含されることで、たんに競い合う関係から、互いに助け合う関係をも含むことになり、良い仲間意識になってくる。
  異年齢グループワークの展開5 さらなる発展へ
 くすだまユニット作りでのグループワークの経験が、それ以外の日常的な関係性においてもよりよいものになるような配慮が必要である。ゲームなどを使ったグループワークの後に、その時の勝ち負けをめぐって、その後の人間関係が逆に悪化してしまうこともある。そのようなことがないように、グル―プワークやワークショップを終了した時に、一人で遊んだり、学んだり、働いたりするよりは多数で活動をした方が楽しかったとの思いで終わるような終わり方が必要である。そうでならないなら、人間関係が悪化するようなら、グループワークやワークショップをやらないでおいたほうが良いであろう。
 グループワークの結果、仲間が仲良くなっていくように展開することが肝要である。

 

   カプラ活動でのグループワー
  異年齢グループワークの展開1 準備と個人個人の活動
 異年齢集団を巻き込んだ実際の展開事例について考えてみたい。
 放課後児童クラブや児童館での主に低学年を主体として中に、高学年も一緒に参加させてグループワークをする場合を仮定してみたい。
 ・人数が小学校1年〜3年までが40人程度、4年〜6年までが15人程度だとする。
 ・活動の内容はカプラ
 ・時間的には90分くらい
 ・指導員は3人とする。
 カプラはフランスの木のブロックである。ユニバーサル的な活動が出来る。保育園の年少くらいから小学生・中学生・大人までの一緒に活動することが出来る。カプラが良い点は崩れた時に良い音がするので、ADHD傾向の子どもも崩すことも楽しむことが出来るので、上手くやれば切れることが少なくなる。集中力も次第についてくる。
 児童館や児童クラブでのグループワークはグループワークだけで独立したものと考えない方が良い。最初は個々人の学びや遊びがある。これはケースワーク的である。次第に仲間と一緒に活動するようになり、グループワークとなる。最後にみんなで作った作品をつないでコミュニティワークとなる。
 最初に必要なことは、始める前に美しくの働きである。カプラは小さな木のブロックであるから、足で踏んずけたり、汚くしてはいけない。そのためには、フランスでも靴を脱いで、素足もしくは靴下で活動している。もちろん子どもだけではなくて、指導員も内履きを含めて靴を脱いでもらう。靴を脱いで活動できるように、日ごろ内履き等を使用している場所もきれいに清掃することが必要である。もちろん床に危険物が落ちているようなことがあってはならない。
 次に@カプラを投げないAカプラを踏んづけないBカプラを汚くしないなどのルールを確認する。また友達のカプラが崩れたら、「良い音がしたね」とのポジティブな声かけをするように伝える。カプラの寝る・起きる・立つのやり方を教え、個々人でカプラを扱ってみる。
 最初から小集団は作らない。あくまでも一人ひとりがその子の個性に合わせて楽しみながらカプラをすることが必要である。この時点でカプラの活動が出来ない場合は無理をしない。たいてい3歳児くらいであれば楽しんで出来るものである。
  異年齢グループワークの展開2 小集団と個人活動の並列過程(グループワークとケースワークの並列過程)
 グループワークにおける小グループの編成は基本的にワーカーの意図的計画的なグループ編成になることが多い。カプラの場合は自然発生的なグループでも可能となることが多い。カプラは一人でも十分に楽しめるし、2人〜5人の小グループで遊んでも楽しい。10人くらいの中グループでも楽しいのである。
 カプラ活動をやっていると、一人で遊ぶのが好きな子どももいるが、グループでやりたがる子どももいる。高学年が低学年の子どものカプラを奪って、自己中心的にやることのないような配慮を必要とするが、自然発生的な仲間つくりを奨励することが多い。「〇〇ちゃんたちが仲間でやっているが、3〜5人くらいの仲間で作品を作っても良いよ」との声かけをすると、小集団が発生してくる。ただし、一人遊びが好きな子どももいるので、カプラ活動の場合は小グループでの活動と一人の活動が並列して実施されることになる。
 ケースワークとは特別な子どもに適応されるわけではないから、ケースワークとグループワークが同時進行していることになる。児童館や児童クラブの活動はケースワークとグループワークを分離して実施するものではないと私は思っています。
  異年齢グループワークの展開3 小グループでの本格的な活動
 カプラのワークショップ≒グループワークの小グループ編成はカプラの特性によって、子どもたちの自主的なグループ編成が可能で、その方が上手くいく場合が多い。また小グループを中心とした活動であるが、同時並行的にケースワークも行われることとなる。
 同時に、全体のカプラの数があるので、一人ひとりのカプラの数が制限されるのも特徴となる。5000ピースで55人がカプラの活動をするならば。概ね1人100ピースくらいのカプラを使うとの制限が生じる。数が2000ピースなら1人40ピース弱となる。一人で400ピースを使いたいなどとのわがままは許容できない。しかし、制限された数で一人遊びをしようが、仲間と一緒に大きなものを作るから自由となる。
 グループワークは最終的にはコミュニティワークへと発展させることが必要であると私は考えている。一人の活動・グループの活動が最終的にみんなでやり遂げた感動へと発展させることが大切であるからだ。
 小グループで作品を作るときにワーカーはある程度のコミュニティワークへ向けた方向性を示す必要性がある。この方向性はカプラの数によってある程度決まる。たとえば、大きな塔を作ろう・マンションを建設しよう・マウントフジを作ろう・動物を作ろう・花を作ろうなどのある程度のテーマと方向性を決める。この方向性をもとに小グループもしくは中グループでの活動が行われることになる。ここで中グループが出てくるのは、小グループでやっていて、カプラの数が足りなくなる。小グループが2つ3つ合体しで中グループになることがあるからだ。ワーカーは合併吸収したグループが解体したグループに感謝して、しかるべきアイデンティティが確立されるように声かけをすることが大切である。「1年生のグループが2年5年のグループのために自分たちのカプラを出してあげた。偉いねえ。1年から5年まで上手く遊んでね」のような声かけをすることが必要となります。
   異年齢グループワークの展開4 コミュニティワークへ
 90分のグループワークの中で、80分くらい経ったら、カプラを出来るだけ壊さないように声かけをする。10分前に個人・小グループ・中グループで作るのを終わりにする。1年生〜2年生は少し離れてもらって、上級生がカプラでそれぞれの作品の間を残ったカプラで道や線路を作って結んでいく。するとカプラの町が出来る。
 無人のカプラの町をみんなで観賞する。次に自分たちの作品の周りに入って、写真を撮ったりする。これでカプラのコミュニティワークが完成となる。一人で作っていた子どもも自分の作品が他の友達や他のグループの作品と結ばれるとニコッと笑顔になるものです。
 
   異年齢グループワークの展開5 みんなで崩して後片付け
 カプラが楽しいのは作るだけではない。崩すのも楽しいものである。また崩すときの音が一つひとつは木琴のような音・連続して崩れると川のせせらぎのような音となる。みんなで写真撮影が終わったら、ジェンガのように少しずつ崩して楽しむ。
 崩し終わったら、みんなと後片付けとなる。これは働きの過程である。働きは人のために動くとのことであるから、自分のことを自分でやるとの考え方ではない。低学年の子どもはカプラを集めて、上級生のところへ持っていく。上級生はきちんと一方向にカプラを入れ、片づける。それぞれが自分の能力の範囲で出来ることをきちんとやることが大切となります。
 カプラの遊ぶ場所の清掃と整理整頓といった働きの活動がまずあります。次にカプラの扱い方や作り方の学びがあります。第3段階にカプラで遊びの活動があります。最後にカプラをきちんと片づけ、掃除をする(たいていは靴下で床が磨かれてきれいになっているが)働きがあります。カプラは働き→学び→遊び→働きと巡回する活動であるでしょう。また同時にケースワークに始まり、グループワーク・コミュニティワークへと発展していく過程でもあります。
 カプラはグループワーク活動に利用できるユニバーサルデザイン的な活動であると私は思います。

   異年齢集団のグループワーク アイスブレーキングと小集団つくり
  アイスブレーキングと小集団の形成1 じゃんけん遊びでアイスブレーキング
 異年齢集団のグループワークをやる場合に、児童館や児童クラブのいつもの集団でやる場合と最初からグループワークをやるために初めて作られた場合とでは違ったものになる。初めて集まった集団は一般的にワーカーの意図的な集団を作ることが容易である。しかしいつもの集団の場合はいつもの仲間がいて、その仲間に固執することが多い。こうした固執性や排他性を排除するために、アイスブレーキングを兼ねたじゃんけん遊びは使うと便利である。
 グループワークの対象児童は低学年40人・高学年15人の55人とする。

 じゃんけん進化ゲームは楽しい。まずみんながひざまずいてゴキブリになり、ホイホイと言いながらじゃんけんをする。勝った人はゴキブリからアヒルに進化し、アヒル歩きでガーガーと言いながらアヒル同士でじゃんけんをする。アヒルでじゃんけんをして勝つと人間になれる。人間はおーいおーいと言いながら相手を探し、じゃんけんをして勝ったら神様になれる。神様になったら、ワーカーが示す場所から神様1号・2号・3号と一列に並んでいく。
 最終的にはゴキブリの人・アヒルの人・人間の人を1人づつ残してみんなが神様になる。私は一番に神様になった人がこの3人に「あなた様方のお蔭でよい思いが出来ました。ありがとうございました」と正座をしてお礼をいうことにしています。また、アヒルとアヒル・人間と人間がジャンケンをして、負けるとアヒルはゴキブリに、人間はアヒルに戻るとのバージョンもあります。高学年にはこれを採用すると楽しくなりますが、低学年には難しいようなので、異年齢集団のゲームでは簡単な進化だけのものを採用しています。
 子どもというのは大人と違っていつも真剣な存在です。ルールの定着を図るために何回か練習をしますが、練習だとは言わないのが良いと思います。基本的なルールを説明して、一回やってみます。次に「今のは練習だった。これからが本番」みたいな言い方で、3回から4回やると定着が図ることが出来ます。
 またグループワークは時間的な制限があるものです。じゃんけんが最終的に決着がつかなくても笛を吹いたら、神様の順番のところへ走って並ぶようにしています。この時、人間であろうが、アヒルであろうが、ゴキブリであろうが、速く並ぶことが出来ます。
 これで1番目の神様から55番目の神様まで一列になります。なお1番目の神様はみんなにきちんとお礼をいうようにします。
 アイスブレーキングと小集団の形成2 じゃんけん遊びから小集団つくり

 1〜55番の順番が出来たら、小グループ作りに入ります。ここでは10までの番号を先頭からうっていきます。

 1・2・3・・・10とやっていきますと、5回繰り返され、最後に1・2・3・4・5で終わることになります。
 1のグループが6人の小グループが編成され、同様に2・3・4・5の小グループは6人のグループとなります。6〜10の小グループは各々5人のグループとなります。こうして作られたグループは参加者にとっても、ワーカーにとっても予測が出来なかったグループであり、まったく新しいグループ編成になる。もちろんこうした小グループ編成において、中の悪い子どもが一緒になることもある。私はそうした場合に同僚のことを持ち出して、
「私はM先生とは仲が悪いのですよ。実は。でも一緒にやれと言われているので、仕方なくやっています。でも、お互いに笑顔でやっています。人生は我慢と諦めが大切ですからね?」などとジョークをいって、上手く相性の合わない人とはそれなりの付き合い方が必要であると教えています。(もちろんM先生とは仲がとても良いのですよ。)
  アイスブレーキングと小集団の形成3 小集団対抗じゃんけん遊び
 小集団が作られたら、その小集団が私感情から我々感情へと仲間つくりが出来るように働きかけることが必要となる。
 今回は小グループの凝集性を高めるために、まず自分たちのグループの名前をつけることにする。ここでグループワークの原則の一つである自己決定尊重の原則が大切となる。各グループがそれぞれ自分たちの好きな名前をつけるように働きかける。また、グループ内の一人が独占的に決定するのではなく、メンバー相互の関係が民主的人格的な関係性となるように働きかけることも必要である。

 グループの名前が決定したら、5人組(6人組)集団じゃんけんのルールを学ぶことになる。グループ全体として、5人が手をつないで大きく広げるのがグー・座って小さくなるのがチョキ・手を離して立ったまま腕を前後にするのがチョキとする。5人は最初に相手チームに聞こえないように自分たちが何を出すかを決める。そして相手グループとじゃんけんをすることになる。勝ったらエヘンと威張る。負けたら参りましたと頭を下げる。あいこは握手すると決める。あいこで何回もじゃんけんをすると次第にエスカレートし。他のグループとのじゃんけんが出来なくなるので、あいこは握手とのとても良い手法を子どもたちと一緒に開発した。これでだいぶトラブルが少なくなった。なお、勝ったグループの中で間違ってじゃんけんを出して者がいるときはあいことなる。負けたチームが間違った時は勝負が成立する。あいこの場面で間違ったものを出した場合はあいこである。
 ある程度練習をしたら、各グループで独自のグー・チョキ・パーを作ることになる。この相談過程がグループワークでグループの凝集性を高め、自分たちで決定したことへの成就感を持つことになる。また各人・各グループの創造力を高めることになる。
 最後に各グループで5人組集団じゃんけんをする。これは、各グループにアメ等を人数分持たせ、勝ったら相手チームから1ケアメを貰う。負けたら1ケアメをあげる。最終的にアメの数が多いグループの勝利となる。ゲームが終わったら、人数分アメがないグループにはその分を補充してあげて、平等に1ケづつになるようにする。勝ったグループは平等に分け、余ったものはじゃんけんで勝った人がもらうことにする。
 なお最終的には優勝チームが勝てたのは負けたくれたチームがあるからだと教え、勝利者チームが正座してお礼をいう。
  アイスブレーキングと小集団の形成4 小集団でのグループワーク
 進化じゃんけん・5人組集団じゃんけんだけでもグループワークになる。90分のグループワークなら、概ね40分くらいでこの活動を終わりにする。トイレ休憩などを入れて、残りを結成され、仲間意識も高まったグループで、また別のグループワークに取り組むことも可能である。事例1のくすだまユニットつくりなどはこうした小グループを結成してからやることもある。これ以外にもお雛様会のグループ発表お楽しみ会のようなものを企画し、踊り・歌・かくし芸・マジック・紙芝居発表などをグループごとに練習して実施するのも一つの手法である。
 練習するまでをアイスブレーキングの活動とあわせて90分とし、後日、お雛様お楽しみ会などで発表会をして楽しむというのも一つのやり方である。
  アイスブレーキングと小集団の形成5 グループワークの終了と評価
 アイスブレーキングを兼ねてまったく新しい小集団を結成する。その集団で新たなるグループワークをやるのは、グループが既存の仲間関係に依存しないでやる場合の一つの手法である。
 この場合にワーカーにとっても予期していない小グループが出来ることになる。新たなグループ関係の中で、どのようなことが起きるのかをしっかりと観察することが必要となる。観察するというと、客観的に観察されることが求められることがある。しかしながら、グループワークにおける観察は、ワーカー自体の主体的な取り組みと小グループやグループ構成員との主体的な関係性を抜きにしてありえない。つまり、意図的に関与しながら観察することが必要となる。いわゆる参加的観察の手法が必要となる。観察というと自分を部外者において観察することが正しいとは限らないことに留意が必要である。
 グループワークを終了と評価の段階も、ワーカーの関与の仕方と子どもの変容を問題にすることが必要となるのである。異年齢集団のグループワークにおいては、低年齢の子どもだけではないので、ワーカーと参加者の関係性も低年齢だけとは違ったものになり、評価もその点の考慮が必要となる。
   異年齢グループワークの展開5 みんなで崩して後片付け
 カプラが楽しいのは作るだけではない。崩すのも楽しいものである。また崩すときの音が一つひとつは木琴のような音・連続して崩れると川のせせらぎのような音となる。みんなで写真撮影が終わったら、ジェンガのように少しずつ崩して楽しむ。
 崩し終わったら、みんなと後片付けとなる。これは働きの過程である。働きは人のために動くとのことであるから、自分のことを自分でやるとの考え方ではない。低学年の子どもはカプラを集めて、上級生のところへ持っていく。上級生はきちんと一方向にカプラを入れ、片づける。それぞれが自分の能力の範囲で出来ることをきちんとやることが大切となります。
 カプラの遊ぶ場所の清掃と整理整頓といった働きの活動がまずあります。次にカプラの扱い方や作り方の学びがあります。第3段階にカプラで遊びの活動があります。最後にカプラをきちんと片づけ、掃除をする(たいていは靴下で床が磨かれてきれいになっているが)働きがあります。カプラは働き→学び→遊び→働きと巡回する活動であるでしょう。また同時にケースワークに始まり、グループワーク・コミュニティワークへと発展していく過程でもあります。
 カプラはグループワーク活動に利用できるユニバーサルデザイン的な活動であると私は思います。


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