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■男の子の相手の仕方 詳細トップ (2014年10月7日)






   

  男の子の相手の仕方について
                                児童健全育成指導士 田中 純一

私は男ですので、男流のやり方でやるのですが、女流もあるのではと思っています。そこら辺の共通事項を見つけたいなあと思っています。坂井東小学校や浜浦小学校時代に物静かなのに毅然としてクラスや学年運営をしておられる女性教諭の方々に学ぶことがたくさんありました。そのノウハウを見つけて提案していきたいと思っています。また時々、女性職員の方に『男の人の言うことは聞いて良い子で出来るのに、なんで女性職員に対してはダメなんだろう』と言われこともあります。怖い人がいなくなると豹変することもあるのです。ここら辺を突破する方向性を見つけたいと思っています。まずは男の子のことについて職員に理解して欲しいと思っています。

  さっきのことは忘れた。次のことはわからない。今のことは定かでない。
 一つわかっているのは、男の子は定かでない子どもが多いので、さっきのことや次のことの注意をしない人が、(今の状況だけを注意する人)男の子には受け入れやすいものです。『なんでものを投げるの?さっきも投げたし、今度投げたら許さない』みたいな言い方はよくないと思っています。『さっきや昨日のことは言わない。危険な今を制止し、しなかったら褒める。次のことや明日のことは考えない』のが良いと思っています。男は自分自身がそんなものですから案外、子どもの悪さを過去や未来のことを言わないように思います。これが一番のポイントかなと思っています。
  利己的行動と利他的行動
 二つ目は利他的行動と利己的行動の違いと思います。男は目の前のことに集中しますので、利己的行動をとりやすいものです。女の子は社会的参照の能力が優れているので利他的行動をとることが自分の利益につながることを知っています。男の子が利他的行動をとったときに十分に褒めてあげて利己的な気持ちも満足させてあげることも必要と思います。女の人には当然のことでしょうが。
  褐色脂肪のこと
 三つめは大人と子どもの違いはDoCoMo夢の扉によると褐色脂肪の量だそうです。褐色脂肪があると脂肪を燃焼させようとするので、新陳代謝がよくなるのだそうです。子どもが寒くても平気で外で遊ぶのは褐色脂肪の働きで発熱しているからだかもしれません。三食以外に間食が必要なのは褐色脂肪がおおくあるからでもあるでしょう。大人になると褐色脂肪が減少してきますから、意識的な運動が必要です。褐色脂肪を減少させないためには寒暖差があった方が良いとか。エアコンの中ばかりにいるよりは元気に外遊びが子どもにも大人にも必要なのかもしれません。
      
  単純に出来ている男
 四つ目は、男は単純だということです。言語的能力が劣りますので、自分の気持ちをなかなか伝えることが出来ません。もどかしくてすぐに『馬鹿』『あほ』『ブス』と言ってしまいます。言われたら『あら私のことを好きなの?ありがとう』って言い返してやるのも一つの手法です。本当に嫌いならば小学校低学年(123年生くらいまで)では悪口をわざわざ言わないものです。
  アクションリサーチで考えることが多い
 五つ目にアクションリサーチ的な行動が多いことです。ホモサピエンスは食糧獲得の手法として、女は採取・男は狩猟の道を歩んだとのことです。結果的に女性性的な性格として社会的参照能力が高く、協調性の能力が高いものとなったようです。動物相手の捕獲に走った男の男性性的な性格として、競争とか身体運動能力とか集中力が高まったようです。とにかく動いてみて、その結果のアクションから次の行動を考えるパターンのアクションリサーチ的な行動は男の子には多いものです。サイレンの音がしたら窓際に行ってみてみる。落ちているものは拾ってみる。高いところには上ってみるなどの行動は本能的なものですから、『なんでそんなことをするのか?』と訊かれるのは男には辛いものがあります。あえて言えば『そこに山があるから』くらいの理由でしょう。男の子はとりあえず何か行動してみるという本能的なものがあると理解してくれると有難いものです。その代り、女の子の慎重な行動も尊重していくつもりです。
    おやつについて
 六つ目は女の子にとっておやつは遊びでもありますが、男には栄養補給でしかないことです。褐色脂肪の多い子どもたちはエネルギーを使い果たすまで動き回る傾向があります。身体の新陳代謝も激しいものです。栄養補給としてのおやつも必要でしょう。運動量が極端に多ければ大人も三食以外の栄養補給が必要となるのと同じです。しかし男にとっておやつはすばやく栄養を補給して次の活動(ホモサピエンスとしては動物の捕獲)に移るためでしかありあせん。女の人や女の子にとってはこれからの活動のための貴重な情報交換(おしゃべりとも言う)です。ですから女の子にとっておやつは遊びにもなります。男の子はすばやく栄養補給をして遊びに行きたいのに、おやつに時間をとられるのは本当に嫌なものです。ここら辺の男心を理解しないで、『一緒にいただきます』や『ご馳走様』となるように女の子に待たされるのでは女に子をいじめたくもなるものです。
        
     破壊的衝動
 七つ目は破壊的衝動が男にはあるとのことです。捕獲を主たる食糧獲得手段としたホモサピエンスの男は動物を殺すことが必要となった。この結果どこかに破壊的衝動があるように思います。この破壊的衝動はきっと女の人にもあるのでしょうが、男は女の人より強いように思います。男の子にもこの破壊的衝動は存在しています。破壊をダメなことだと決めつけるよりも場面によって必要なことだと理解して、破壊の場面設定を上手い具合にしてあげることが必要となります。たとえばゴキブリ退治・ハエ叩きは必要でしょう。その代りに無益な殺生はダメだと教えることが必要と私は思います。私の小さな時はヤスでカジカ突きをしました。ハヤを水中銃(ゴムの力で小さなヤリみたいなのを撃つ)で捕まえました。野兎の通り道に針金の罠をしかけました。今同じことを子どもにさせるわけにいかないけれど、それに代わるべき何かを提供することは必要だと思います。魚釣りとか、まき割り・物を分解してゴミを分別して再再出来るものにするとかなど生産的な破壊衝動を満足させることの出来るものを提供する必要性があると思います。
   一番が好き
 八つ目は一番が好きなのが男の子です。並べさせると無理矢理一番前に来たがります。学校からクラブへ帰ってくるのも一番が好きです。そういうものだと思って利用して指導していただければと思います。『誰が早く並ぶかな?』などとおやつの配るための声かけをして、後ろから配ることもあってよいものです。仕分けの時に『なんで一番なのですか?』と発言された方がいましたが、二番を目指して努力する人はいないものです。一番を目指すけれど、二番になってもそれほど深く悩むというわけではないのです。一番を目指して頑張り、二番でもそれはそれで良いのです。男の子や男が、一番が好きという心理を上手く活用してやることが必要と思います。
    コンプレックスとは
 九つ目はコンプレックスのことを考えてみたいと思います。コンプレックスを劣等感と訳したために誤解が生じているようです。劣等感はInferiority complexです。Inferiorityとは劣等との意味で、コンプレックスは複合体との意味です。人間の心の中は複雑な複合体となっています。『嫌い』と発した言葉も嫌いな時もあれば好きな時もあり、どうでもよいこともあります。本来的な受容とは相手の鏡のようになって聴いてあげることではないかと私は思っています。『嫌いなの』との発声に好きや嫌いやどうでもよい感じの『嫌いなの』を返してあげて、相手が自分の気持ちを見直すきっかけを作ってあげることなのかなと思います。ですから『嫌いなの。どうして嫌いなのかな?』などとの言い方は本質をついていないことがあるものです。その子どもの気持ちの本当のことがわからないならば『わかりません』と言った方が良いと思います。怖いのはわかっていないのにわかったふりをして、受容したと勘違いすることです。
    悪しき結合と上手い連帯
 最後に悪しき結合、上手い連帯について考えてみたいと思います。男の子は受容のふりをされて何度も裏切られるとだんだんと悪い方向になっていくものです。叱られるようなことをするのですが、見つからないように陰湿な形で隠れてやるようになります。その場では反省をしたふりをしますが、嵐が遠ざかるのを待っているだけで、心の中は『今度は見つからないようにやろう』とか『どういう言い訳をしたらよいか』と考えるようになります。女の子も男の子のこうした悪しき行動から学び、次第に自己中心的なやり方をやった方が得だと思うようになります。利他的行動がなくなり、利己的行動のみが闊歩するようになると、次第にクラブやクラスは崩壊状況へとなっていきます。
 悪しき結合を断ち切ることをやらなくてはならないことになります。悪しき結合がなくなってきたら、利他主義的活動の場面を増やして、評価することを通して、上手い連帯を作っていくことが必要です。上手い連帯とは互譲互助の気持ちを培っていくことではないかと私は思います。

    女の子のこと
 女の子のことについて考えてみます。女性職員の方々は、本人は女ですから、女の子のことは理解しやすいと思います。私のような男はなかなか女の子のことはわかりません。ちょっと褒めると他の子が聞いていて、『なんであの娘ばかり褒めるのよ』とすねるし、叱れば『なんで他の娘は叱らないでわたしばかりなの』と頬を膨らませます。厄介な生き物です。ですからボーイシュな娘が私は好きになります。
 私が苦手なのは美人を花にかける高慢ちきな娘です。これには本当に苦労します。それでときたまつかまえて、美人の3要素についての話をします。これは吉岡たすくさんをお呼びしての講演会で聴いた話のアレンジです。吉岡さんによると『うちの嫁は良い嫁だ。よいおかあさんだ。一つは健康である。二つ目は明るい。三つめが適当に抜けている。これが子どもには必要である』との話であった。私は美人の三要素として『美人であるためには、健康であること、賢いことも大事だ。しかし病気の人もいる。学習が苦手な人もいる。一番大切なのはやさしさである。眼が吊り上がっていては顔を整っていてもみんなに嫌われる』と話をしています。日本にはトイレの神様の考えがある。トイレをきれいにすると美人になるのだと話をしている。これが私の女の子に対する提案ですね。もちろん男も男の子もトイレ清掃は大事です。

おしゃべり雑感 女と男
 女と男の大きな違いはおしゃべりにあるのではないかと私は思っています。女の人にとって、おしゃべりはレクリエーションではないかと思います。ご飯を食べたり、お茶をするのも多くはおしゃべりが目的の一つのようです。90分食べ放題というのが私には理解できませんでした。ご飯を食べるのに30分あれば充分。90分も食べていたら、食いすぎて動けなくなるのではと思っていました。ところが女の人はおしゃべりをしながら食べるから90分などあっという間だと言うのです。このことを60歳まで気づいていませんでした。私の場合は。
 男は討論すると次第に脈拍数があがります。だんだん血圧も高くなり、アドレナリンが分泌されて、次第に気持ちと身体が戦闘モードになっていきます。ですから、討論は激論に男の場合はなりやすい。夫婦の会話でも激論になって戦闘モードになると困るから『わかった。もういい』みたいな会話打ち切りになってしまいます。ところが酒を飲むと脈拍数は一定以上から会話をしても上がることはないようです。そこで酒を飲みながらの会話は進み、時間が過ぎるのが速くなります。
 男は酒抜きのおしゃべりは上手くコントロールしないとケンカモードになります。女の人はおしゃべりで心が安らぐようです。
  高齢になってから、女性性的であるほうが適応しやすいとのことです。狩猟に専念している時にはおしゃべりは不用かもしれません。でも年をとってきたら、おしゃべりして情報交換することが有意義なのかもと思います。男も酒抜きでおしゃべり出来るようになりたいものです。


□女の人から学んだこと

   



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