発明BOYカニパン - 感想 第7話〜第12話


第7話「ナッツ隊長失そう事件」

脚本 西園 悟 絵コンテ 山本裕介 演出 山本裕介

あらすじ

久しぶりの休暇を取ったナッツは、 予定の休暇期間が終わっても出勤せず行方不明。 カニパン達は、キッドの変てこな推理にふりまわされつつも、 捜索を続けると、ナッツはダンス教室に行き、 教室を下手なダンスでめちゃくちゃにした後、 ロボトのパーツを買いまくっていたことが判明する。

そして、ついに、ナッツの家の近所の近くの貸倉庫で、 ダンスロボトと踊るナッツを発見。 ダンスロボトが暴走し、踊りがやめられず、ナッツは 不眠不休で三日間踊り続けていたのだ。 女の子としか、踊らないように設計されている ダンスロボトに、カニパン達は近づけない。

代わりにミルクに踊ってもらっているすきに、 カニパンは、ナッツのダンスロボトの設計図を 使い、キッドをダンスのうまい女の子ロボトに改造。 キッドのあまりにうまいダンスに感動し、ダンスロボトの 暴走は、ようやく止まる。

事件は無事解決するが、ナッツは、 ダンスの音楽が流れると、勝手にダンスを 始めてしまう後遺症に悩まされるのだった。

感想

脚本 ★★★★★ 作画 ★★★★

とにかく面白い話だった。前回の次回予告の時には、 ナッツがどこかへ行ってしまうシーンが使われていたが、 あれは単にキッドの変な空想で使われたシーンで 本編とは何にも関係がなかった。 というわけで、私も完全に一杯くわされた(笑)。

それと、今回は絵的表現が秀逸。

キッドのでたらめな推理もめちゃ面白かった。 ガラムとマサラ、納得してるし(笑)。

それとナッツが楽しい。キッドの妄想映像内での ナッツや、眠くてすぐ寝ちゃうナッツなど最高。 そういえば、ほんと今回はいろんな服着てたなぁ。 ロングスカートのナッツもラブリー。

ミルクちゃんもかわいい〜。カニパンと居ると楽しい みたいだし。

そして、とどめはキッドの女装(爆)。 「今日だけ女の子になってね」のセリフや、 女装化した後のキッドのしゃべりかたなど最高。 どうしてこんなに面白いのに世の中であまり 話題にならないんだろう。

今回のキッド

(ドレスアップ)ノコギリクワガタパーツ ★★★

シンプルなデザインだが、角がついててかっこいい。 珍しくキッドはこのパーツには満足してたようだ(笑)。 しかし、結局、今回は役にたたなかったが。

レディダンサーパーツ ★★★★★

この後もしばしばキッドは女装するけど、 この回が最も面白かった。もう最高(笑)。 しかし、この発明はナッツの設計図を元にした ということで、全く評価されなかった。 発明委員会、なかなか適切な審査基準している。


第8話「ミルクの悩み大爆発!」

脚本 吉田玲子 絵コンテ 福島一三 演出 奥村吉昭

あらすじ

ミルクの子供の頃からずっと服を作ってきたカットソー。 でも、ミルクは最近その服のデザインが気に入らない。

カニパンは、カットソーと、世の中の流行を知るために、 ブティックの服を見に行く。そこで、ミルクに遭遇する。 カットソーはブティックの服のデザインがミルクには 似合わないと、勝手にブティックの服を修正してしまう。 激怒した店員、カットソー達を追い出す。

そこにナムルが現れ、なかよし回路のはいっていない 万能洋裁ロボトをプレゼントしてくれる。大喜びする ミルクに、自信をなくしたカットソー、 夜道を歩いていると、ガラシーに出会う。 そして、暴走チップをつけられたカットソー、町中の人の 洋服を変なものに作り直してしまう。

一方、万能洋裁ロボトはカッコいい服は作るが、 それはミルクの体に合わない。 ようやくカットソーのありがたみに気づくミルク。

カットソーの暴走を止めようとするデバグ隊だが、 超合金のはさみと針を持ったカットソーに近づけず、 このままだと爆破するしか手がない。 そこに駆けつけたミルク、カットソーを爆破しないよう 哀願する。

カニパンは、カットソーに実在しない透明の生地で 洋服を作るように頼み、洋服が作れず、空回りして オーバーヒートしたカットソーから、暴走チップを 取り出すことに成功し、一件落着。

感想

脚本 ★★ 作画 ★★

今回もYoung Woo Productionの作画がかなり厳しい。 それと今回はどうも物語の構成がいまひとつ不完全 な印象を受けた。扱ったテーマ、ゲストキャラクターなどは 魅力的だと思うだけに残念だ。

具体的に問題点を挙げることにする。

とはいうものの、はさみと針を持つ体だから、 ミルクが抱きしめられないというくだりとかは なかなかうまい。

なかよし回路を搭載しないロボトの描写も 面白いと感じた。

もう少し、ストーリーの流し方を スムーズにすれば、もっと面白くなったのでは ないかと思うのだが。ま、好みの問題も あるとは思うんだけど。

今回のキッド

(女の子の心を理解するための)ギャルパーツ ★☆

前回の面白さと比べると大きくパワーダウン。

補足情報

カットソーの声を久々の登場の赤土`真弓が好演。 歩く時にきゅきゅと音がする効果が良かった。


第9話「ロボトも卵うむデシか?」

脚本 山口亮太 絵コンテ 湖山禎崇 演出 湖山禎崇

あらすじ

昆虫採集に興ずるカニパン達。ミルクが巨大カブトムシを 捕まえた。でも、それは実はA級発明家チュロスの インターフェイスロボト、カブちゃんだった。

カブちゃんはチュロスの作った虫達の楽園、むしむし島 の番人をしていたのだが、逃げ出してしまったのだ。 チュロスの言うことを聞かず、カブちゃんは再び逃げ出す。

飛び回るカブちゃんを、デバグ隊は、 最新型ヘリで捕獲しようとするが、撃墜される。 カニパンは火を炊いておびきよせ、ようやく、 カブちゃんの背中に乗っかり、チェックすると、 暴走チップは見つからない。

実は、カブちゃんは暴走したのではなく、 自分の卵を探していたのだ。 それはキッドが浜辺で拾った卵だった。 しかし、キッドは見つけた卵を返そうとしない。

カニパンは、たがめパーツや、ゴキブリパーツで、 徹夜の卵奪還作戦に出るが、ことごとく失敗。 でも、結局、シーバスの奥さんやチュロスの説得で キッドは卵を返そうとする。ところが、ミルクは卵を奪い取り、 珍しい卵をネタに人気モノになろうと企む。

そのドサクサでキッドと卵が崖から落下してしまうが、 カブちゃんがそれを助け、卵も無事ふ化したのだった。

感想

脚本 ★★★★★ 作画 ★★★☆

はちゃめちゃ性の高い傑作。チュロスが大変魅力的 なキャラとして描かれている。

説明的セリフに、テンポのいいギャグを絶妙に 組み入れているのが絶妙。

シリアスな話で、虫達を捕まえたり、標本にした、カニパン達に ダメージを与えたあと、
拾ったロボトの一割を請求するミルクに、 カブちゃんの足の部分のパーツを渡して、おまけにリモコン操作し、
そして、シリアスに話をいったん戻しておきながら、
マスターおかわりとボケて、
それに対し、シリアスな話を続けるシュウ博士に、 ツッコミはなしですかとつっこむ。

視聴者が、笑いがようやくおさまったと思ったところに ギャグを入れる、そのうまさ尋常じゃない。

それにチュロスのコスプレも笑いまくり。 一つ、頭に帽子をかぶってるののネタが私には わからなかったけど、あれってモスラかな?

それにしても、まさか、あんなに露骨にポケモンのギャグやるなんて(笑)。 (そういえば、湖山さんて、ポケモンもやってるかもね)

その他、たき火で、飯盒炊爨(はんごうすいさん)してしまう チュロス、一緒に食べてるやきそば。 面白いシーンありすぎてフォローしきれない。

「だめじゃん」「C級」「すこしは頭使いなさいよ」 は名(迷)文句。

とにかく学者には変な人が多いことをよくわかってるなぁ。 それでいて、単なるギャグアニメにせず、 最後、心暖まるオチでまとめるとこがまたすばらしい。

それにしても、今回、キャラがなんかいつもと 変わりまくりのような気もする(笑)。 キッド、卵に化けるような異常に高度なことしてるし。

チュロス役を鈴木真仁が、また絶妙の演技で 好演。他の声優にこれだけの味が出せるだろうか?

今回のキッド

(目には目を、カブトムシには)カブトムシパーツ ★★☆

キッド不在で使われず(爆)。

カッパパーツ ★★★★

キッドが入浴中に使用。 過去のパーツを効果的に再利用してるなぁ。

今回のカニパンのコスプレ(おいおい)

水中専用たがめスーツ

結局、まともに使われなかった(笑)。

ゴキブリスーツ

まさか、この先、ゴキブリネタ、 再登場の機会があろうとは(笑)


第10話「スキー合宿で超発明?」

脚本 西園 悟 絵コンテ 渡辺健一郎 演出 渡辺健一郎

あらすじ

シャラク星で一箇所だけ雪が降っているゴクロウ山で 今日はカニパンの学校のスキー教室の日。

そこでカニパンはナッツに会う。 ナッツは、降雪ロボト、シュガーの発明者のフラッペさんに 会いにいくために、来ていたのだった。

カニパンとキッドも一緒に付いていき、フラッペさんに会う。 翌日、スキーがやりたいミルク。でも今日は年に一度の 雪忘れの日、雪が降らない日なのだ。

ところが、ガラシーが、シュガーに暴走チップを取り付けため、 シュガーは暴走し、雪を降らせ始めるのだった。 猛吹雪になり、遭難するミルク。

カニパンとキッドは雪上イルカで、ミルクのところに向かう。 ナッツ、フラッペもスノータンクでかけつける。 ミルクを救出し、シュガーの暴走を止めようとするが、 逆に攻撃され、らちがあかない。

40年前、空の色を変えようして、シャラク星の気候を 変えてしまった自分の失敗を思い出すフラッペ。

カニパンは、犬の遠吠えパーツで、雪崩を発生させ、シュガーを 雪の下敷きにして、降雪はようやく止まる。 ナッツも雪崩に巻き込まれるが、ナッツの インターフェースロボト、ポチが助けたのだった。

感想

脚本 ★★★★ 作画 ★★★

地味だが、描写が丁寧でなかなか、見ごたえのある秀作。 西園脚本は設定が緻密で、説得力があるものが多いが、 その好例といえる作品。

普通の車が、雪上車に変形するシーンはカッコイイし。 雪忘れの日に融けた雪の上に豪雪が降ったから、 なだれが起きやすいというのは大変説得力があった。 なだれを起こすために犬の遠吠えパーツを使うという アイディアも光る。

カニパン達の老後の空想も面白かった。

それから、ナッツさんが発明家だったということは 当然インターフェイスロボトがいるはずだという視聴者の 疑問を見事にフォローした回でもあった。 カニパンは大変シリーズ構成が丁寧だと思う。

今回のキッド

雪上イルカ ★★★☆

キッドの耳(?)の部分をハンドルにした アイディアがいい

シニアバージョンアタッチメント(カニパンの想像)★★★☆

なんか、カニパン、歳をとったら本当に、キッドを シニアバージョンに改造しそうだなぁ。

犬の遠吠えパーツ ★★★★

久しぶりに、まともなカニパンの発明(笑)。 口の部分だけ犬にしちゃうセンスがいい。

補足情報

フラッペの声は、声優というよりは俳優の赤星昇一郎が好演。 彼は最近では、ロボタックの刑事役で活躍している。 その他、ガイファードなど特撮系番組や、時代劇で しばしば見かける。


第11話「ナッツにマイロボト?」

脚本 吉田玲子 絵コンテ 佐々木皓一 演出 松浦錠平

あらすじ

前回の発明の審査は、評価が低く、獲得点数はわずか10点。 それがきっかけでキッドとカニパンは喧嘩になる。

その頃、ナッツとポチはナッツがデバグ隊に入った 頃の話をしていた。ポチが旅に出たのは、ナッツが入隊を勧誘された時、 ポチは必要とされなかったことに、落胆したためだった。

そこに泣きながらやってくるキッド。

ポチは、キッドにナッツのインターフェースロボト になるように薦め、自らは、カニパンの インターフェースロボトになることにする。

デバグ隊に出勤するナッツとキッド、 あちこちのロボトの故障や暴走の対処におおわらわの ナッツ。キッドも手伝わされる。 その際のあまりのがさつさ、乱暴さに キッドは自分が壊れるんでないかとひやひや。

カニパンは、有能なポチのサポートで 発明作業がはかどるが、最後まで完成させず 別の発明を始めてしまうという、飽きっぽい性格を 叱責される。

さらに、滝にうたれ、クマロボトと闘ったポチから、 厳しい武闘特訓を受けふらふらになる。

一方、ナッツは窓拭きロボトの暴走を止める作業の際、 無能な部下達のせいで、ゴンドラから 落ちそうになる。 駆けつけたポチがナッツを助け、事件解決。

結局、カニパンもキッドも、ポチとナッツに 恐れをなし、仲直りして、元のさやに収まるのだった。

感想

脚本 ★★★★★ 作画 ★★★☆

吉田脚本の傑作。彼女の脚本はなにげない日常的 描写がうまい。

ナッツのセリフから引用してみることにする。

「くっだらない会議で時間とっちゃったわ〜」

報告の遅い部下に対し、
「それを早くいいなさいよ」

部下の無能でゴンドラから落ちそうになった時の、
「ったく、どいつもこいつも」

そして、ちゃんと仕事が終わればねぎらいの言葉を忘れず、
「今日は本当にごくろうさま」

どれも、とても描写にリアリティがあってよかった。 職場で、無能な部下の私にずしりと来るセリフ だった(笑・・っておい)。

それから、ポチの方も、カニパンに説教する際に ざぶとんを出す律義さなど、高倉ケン ぶりが見事に描写されている(笑)。

それにしても、ポチは、スレンダーな青色の 犬ロボトで、話し方が高倉ケン、 いかにもナッツさんが作ったロボトらしいなぁと納得。

今回のキッド

(回想で)カッパパーツ、スパイダーパーツ、ペンギンパーツ、 カメパーツ

第4話では、はっきりわからなかったペンギンパーツの全身が 今回はっきりわかる(ってオープニングにも出てたな)。

今回のカニパンの発明

クロワシヤマトの宅配ロボト

補足情報

この回から音楽に佐橋俊彦が追加されている。 それと同時に「ゲンジ通信あげだま」の音楽も 使用されるようになった。CDを持っている私は すぐに気づいた(笑)。

この作曲が佐橋俊彦。

彼は、このあげだま、そしてその後の赤ずきんチャチャの BGMを担当した辺りからアニメBGM作曲者として 注目されるようになった(・・って誰に?笑)。

最近ではカーレンジャーや、ギンガマン、キューティハニー(当然新しい方) のBGMなどを担当している。 あげだまの音楽使用は、BGM不足を補うための対策と 思われるが、どうもあげだまを知るマニアには不評のようだ。 それもあってか、最近(98年12月)はあげだまの音楽使用は減っている気がする。


第12話「ピロピロピーで大混乱」

脚本 西園 悟(補足情報参照) 絵コンテ 福島一三 演出 奥村吉昭

あらすじ

カニパンが使う電動工具の音が、うるさくてたまらないキッド、 ロボトには人間の聞こえない高い音が聞こえるのだ。 カニパンは、人間の耳で聞こえる範囲しか、 聞こえないようにキッドに人間の耳パーツをつける。

エレックカンパニーのパーコーメンが開発したお掃除ロボトの チューイ君は、笛の超音波で、小型ネズミロボトを操って お掃除をさせる。そのチューイ君に変装したガラシーが 暴走チップが取り付けるが、それをポチが発見。 逮捕しようとするが、暴走したチューイの笛に ポチは操られてしまう。イゴールや他のロボトも、 チューイに操られ行進を始める。

デバグ隊は、チューイの笛を奪おうとするが、 他の操られたロボトの邪魔に遭い失敗。 ロボト達はニラ谷に向かっている。 このままでは、ニラ谷から落ちて、ロボト達は壊れてしまう。

その行進に、キッドも加わるが、人間の耳パーツのせいで、 操られずに済む。

カニパンは海底遊歩道建設に使うドームを借りて、 ロボトのダンスホールを作り、チューイ達をおびき寄せる。 そして、チューイがホールに入ったところで、真空状態を 作り、笛の音が伝わらないようにし、チューイを 取り押さえることに成功するのだった。

その際、燃え尽きなかったチップの回収にも成功。 いよいよ、暴走事件は解決へ向かうのか?

感想

脚本 ★★★★☆ 作画 ★★☆

やはり、この回は、暴走チップが真空のせいで燃え尽きなかった という描写の面白さ尽きる。そ、そうか!と驚かされた。

音に対してもいろいろ説明があって、ちゃんとSFしている回と 言える。

ナッツ達が、暴走ロボト事件の多発で、研究開発段階で ロボトを調べているいう話も説得力があるなぁ。

それにしても、あれれ、ミルクちゃん、蛾には動じてなかったのに、ねずみは苦手なのか(笑)。

それから、エレックカンパニーの研究所のデザインがカッコイイ。 カニパンワールドの建物は、なかなかユニークなので、 他回にもいいデザインの建物は多い。

作画はYoung Woo Productionだが、今回はそれほど作画のひどさが 気にならなかった。でも、やっぱ悪いなぁ。

今回のキッド

人間の耳パーツ ★★★★★

シュールさに大爆笑。

補足情報

今回の脚本はスタッフロールによれば、山口亮太だが、 NiftyServeのカニパン会議室での山口亮太自らの発言によれば、 今回の脚本は西園 悟が正しいそうだ。


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