発明BOYカニパン - 感想 第19話〜第24話


第19話「スーパーキッド大暴走!」

脚本 吉田玲子 絵コンテ おかざきゆきお 演出 角田利隆

あらすじ

ヒーローロボト映画を観るカニパン達。 キッドは映画に夢中だ。 その後の席に座っていたナムル、キッドの 耳(?)のせいで、映画がよく見えない。

映画が終わった後、映画のヒーローロボトの 気分になってゲームセンターでゲームをするが、 BKや周囲のロボトに比べて、自分の力がないことに がっかりする。実はカニパンが意図的にキッドの パワーを弱くしていたのだ。 カニパンとの腕相撲にも勝てない。

怒ったキッドは、ナッツさんにパワーアップ改造を してもらいに行く。その途中、キッドの体に 暴走チップが取り付いてしまう。 ナムルがさっきの映画が良く見えなかった仕返しを したのだ。

暴走チップの影響で、キッドはものすごいパワー がついてしまう。キッドもそれに気づき、 カニパン達のところに引き返し、再度勝負を挑み、 ばったばったとカニパン達を投げとばす。

そして、空手ロボトや、力の強そうなロボト達を つぎつぎと倒していく。 カニパンやラビオリは、キッドを止めようとするが ことごとく失敗。

さらにキッドは巨大ヒーローロボトと合体、 スーパーキッドとなり、町の中を暴れまわる。 キャッチネットも、超強力瞬間接着剤砲も 通用せず、さらに町はめちゃめちゃになっていく。

カニパンは打った力がそのまま返ってくるマシンに、 スーパーキッドを戦わせて、大きなダメージを 受けたキッドはようやく暴走が止まる。

カニパンと暴走が止まったキッドは、キツツキ パーツで壊れた街を直すのだった。

感想

脚本 ★★★☆ 作画 ★★★★

暴走したキッドの喋りかたが江戸っ子風になるというのが、 すごくいい感じ。岩坪さんの演技も最高。 暴走しても女の子は投げ飛ばさないとこがキッドらしいな。 そして、巨大ロボトと合体しちゃう シーンは大爆笑。映画をちゃんと見れなくて残念そうなナムルも 面白かったなぁ。

わざと力を弱くしているカニパンって結構残酷。 でも、そういえば、チュロスが出てきた回は カニパンをやっつけてたけどなぁ(笑)。

「キッドのくせになまいきな」って、 キッドはのび太か?カニパン、ひどいやつでし。

そういえば、カニパンの竜巻発生マシンは久々に妙に まともな発明だったなぁ。

それにしても、ありがちな巨大ロボットものを キッドが暴走するというエピソードでやっちゃうとこが カニパンらしくてよかった。

今回のキッド

スーパーキッド ★★★★

合体シーンが結構凝っていて笑えた。

キツツキパーツ ★★★

くちばしで釘を打つ姿がかわいい。

今回の秘書

新型暴走チップコスプレ ★★☆

前回が、壮絶なだけにやや単調だったか。 それにしても、タイツ系が好きだな。秘書さん。 でも、なんか吉田脚本の秘書は、いまいちふっきれて ない気がする(笑)。


第20話「よこせ!タイシ級免許」

あらすじ

デバグのオフィスで、単に人を驚かせるだけの はりねずみパーツをナッツ達に見せるカニパン。 そこに、発明家管理委員会のカレー氏の自宅で 暴走事件が発生したという緊急通報が流れる。

実は、万年C級発明家のぺパロニの仕業だった。 彼は人を驚かせるだけの役に立たない発明をし続けて、 管理委員会に出入り禁止になり、管理委員会メンバー宅に 変な発明品を送り付けるようになったのである。

ナムルの入れ知恵で、ペパロニ博士はドリル列車で 発明家管理委員会に乗り込んでびっくりさせることを 考える。その製造現場を観てしまったカニパン達は 捕らえられしまい、彼らも乗せてドリル列車は発車する。 そして、ナムルがペパロニに与えた暴走チップが ドリル列車を操縦するロボト、ガラクッタに取り付き 暴走してしまい、ブレーキも効かない。

キッドのはりねずみパーツで、ガラクッタのお尻を針で つっつき、ガラクッタを追い出そうとすると、 手抜き製造のドリル列車はバラバラに壊れてしまい、 発明家管理委員会にぶつかることなく事件は解決する のだった。

感想

脚本 ★★★ 作画 ★★

ペパロニ博士がいい味を出していた。35年経ってもC級 という設定がよい。カニパンと考え方が似ている点も笑えた。 最後に、怪しげなホッピングパーツで逃げてしまったけど、 あれってやっぱドクター中松のイメージがあるのかなぁ。

ちなみに中松氏は、灯油ポンプやフロッピーディスク、 頭にいいお茶などを発明した人で、それぞれは非常に いいものなんだけど、彼の講演を聞きにいってわかったが かなりに怪しい人だ(笑)。

(さらに補足:頭にいいお茶は知名度は低いが、その成分は、 コカコーラが出している爽健美茶などと酷似しており、 いわゆる混合茶のはしりだった。チェリオから発売 されていたが、現在は見かけなくなってしまった)。

って、話が大きく逸れた(笑)。

Young Woo Productionの作画、相変わらず良くない。 特にミルクの作画が泣けるなぁ。

今回のキッド

はりねずみパーツ ★★★

みんなを驚かせるために作っただけの パーツだが一応は役に立った。 あたま上のねずみの顔がかわいい。

今回の秘書

悪の機関車スーツ一号 ★★★★

単にコスプレだけじゃなく、顔の部分、次々と取り外して 表情を変えていく仕掛けがすばらしい・・ってこれ 多分トー○○だな(笑)。

最初気が付かなかったが、本当の頭部は、運転席部分に入っていた。 登場時にぐるっと回った時、後頭部が見えている。


第21話「ペパロニ博士の逆襲!!」

あらすじ

虫歯の治療が恐いミルク、我慢できず逃げ出す。 追いかけるナムルと秘書。

そこにペパロニが現れ、ナムルとミルク、そして タイシ博士の像を奪ってしまう。 ペパロニは、返して欲しければ、ドコジャ密林に タイシ級免許を持って来いという。

ドコジャ密林に入るカニパン達。テーマパークの 植物&動物ロボトに襲われる。

捕らえられたナムルは、ミルクに自分がなぜ ロボト嫌いになったのかを話す。ミルクは悪いのは ロボトじゃなく、かまってくれない親だと主張する。

一方、カニパン達はちゃんとチケットを買えば、密林の ロボト達が襲ってこないことに気が付き、ペパロニの アジトにたどり着くが、そこにはナムルが仕掛けたチップで 暴走したガラクッタが暴れていた。

ガラクッタのせいで、アジトの建物が崩壊、ガラクッタの 暴走は止まったが、タイシ博士像はこなごなに壊れてしまった。

感想

脚本 ★★★ 作画 ★★★☆

ニ話、続けてのペパロニの登場。 今回はミルクがしゃべりまくり、動きまくり大活躍。 親が悪いとミルクに言わせるとこが印象的。

でも、これって、この作品が、一緒に観てる親に 注意を促す目的があるのか、それとも、そんな わがままを言わず、親ばなれをすることを促している のか、この作品が言いたかったことは、いまいち はっきりしない。 まぁ、それは観る側が考えるというスタンスなのかも しれない。

ミルクがガラクッタをこきつかってるけど、なんか、 そんなにガラクッタはいやそうじゃない気もするし、 ミルクって、ロボトからすると、こき使われたくなる ような可愛さがあるのかもしれない。そういえば、 今回のミルクの作画は結構よかった。ナッツもラブリー。

ところで、秘書のセリフ「痛いのは始めだけ・・・」ってまぁ、 そうなんだけど、おいおい・・と思ったのは私だけだろうか。 前回に引き続き、ペパロニに悪としてライバル心を 抱いているとことか、あっさり、誘拐されたナムル達を見送るシーンとか 相変わらずいい味出していた。

今回のキッド

カッパパーツ二号 ★★

機能的には、過去のものと何が違うのか よくわからないが、K-IIと書いているとこが 前のカッパパーツとは違う。

雷パーツ ★★

キッドが使用したんじゃなく、BKが使用し、 みんなを黒焦げにした。黒焦げナッツが ラブリーだったなぁ(おいおい)。

今回の秘書

悪の幹部スーツ ★★★

司令官風か? ううむ、似合ってる。みんながいるのに堂々とその 格好でやってきてるし、やばすぎ(笑)。


第22話「ゴミゴミ島で大パニック!」

脚本 西園 悟 絵コンテ 佐々木皓一 演出 松浦錠平

あらすじ

ナムルの策略で、シャラク星のすべてのゴミ回収ロボト はエレックカンパニーのなかよし回路なしのロボトに なってしまった。

キッドとかくれんぼで遊ぶカニパン、やってきたラビオリを カメレオンシートでからかう。このシートをかぶると、 姿が見えなくなるのだ。

そこにミルクから通信、いなくなったイゴールを 探して欲しいというのだ。ナッツ達もイゴール探しに 加わる。パウの少なくなったイゴールはどうやら ゴミと間違えられて回収されてしまったようなのだ。

カニパン達は、立ち入ってはいけないことになっている ゴミゴミ島へ潜入すべく、カメレオンシートを うまく使って、ゴミ運搬船にしのび込む。

上陸したゴミの島には、謎のダストクイーンがいた。 実は彼女はゴミと間違って島に運ばれてしまったナムルの 秘書だった。

ダストクイーンと共にイゴールを探すカニパン達。 そして、ペパロニ博士と出くわす。 彼はここはロボトの墓場だというのだが、その真相は!?

感想

脚本 ★★★★☆ 作画 ★★★★

作品的には比較的地味だが、戦慄の第23話へ つなぐ話として、大変優れた作りになっている。 この回の話を観ただけでは、次回にすごい話が 待ち構えてるとは予想できないけど、ちゃんと 重要な伏線は張ってあるという見事な出来に なっている。

ナムルが第24話で明らかになる新たな計画に ついての発言をしてたり、とにかくカニパンの 連続ドラマとしての完成度の高さには感服するばかりだ。

今回の見所についてまとめてみる。

今回のキッド

パーツチェンジなし

今回の秘書

ゴミのコスプレ ★★★★★

かわい〜。そして大爆笑。くるっと一回転 してみせるし、ゴミとして回収されてしまうし、 面白すぎる。

ダストクイーン ★★★★

カニパン達に正体を知られないための変装。 カボチャのマスクと頭の空缶がラブリー。 寺田はるひも、変装すると声もちゃんと変えて好演。


第23話「潜入!ロボトの墓場」

脚本 西園 悟 絵コンテ 渡辺健一郎 演出 渡辺健一郎

あらすじ

ここがロボト墓場だという話に、いちゃもんを つけられ腹を立てたペパロニはバケツ銃で、 ポチ、ラビオリ、BKはバケツを閉じ込めてしまう。 さらに追うペパロニ、逃げるカニパン達の 前にゴミゴミ島の警備ロボトが立ちふさがる。 逮捕されるペパロニはポチらと共に彼は強制送還される。

ゴキブリパーツでなんとか逃げたカニパン達、 ロボトの墓場らしき施設にたどり着く。 ナッツとダストクイーンがおとりとなり、 警備ロボトを引きつけている隙に、 廃棄ロボトに見せかけたキッドが運ばれるのと同時に カメレオンパーツを使ってカニパンとミルクは 中に潜入する。

うかうかしているとキッドが処理されてしまう。 慌てて追うカニパンとミルク、どうにかキッドを 救出するが、警備員に発見されて逃げ込んだ部屋は、 なんと、なかよし回路に必須な物質、ココロメタルを 再生する部屋だった。

そこでミルクはイゴールと再会する。

実は、この再生工場の管理人ガーディアンが、 カニパンの実力を試していたのだ。 カニパンの実力を認めたガーディアンは、 カニパンに、有限なココロメタルを再生するのに 必要なケイリキッドを探して欲しいと頼むのだった。 ケイリキッドはあと10年しか持たないのだ。

感想

脚本 ★★★★★☆ 作画 ★★★★☆

超傑作。観ていた私は唖然としてしまった。 すさまじい緻密な物語の構成に脱帽。 この作品のすごいところは、ギャグも見事に おりまぜながら、そのくせ、めっちゃくちゃ シリアスなのだ。

いったいこの先、どうなっちゃうのか、こんなに 続きが気になるアニメも最近珍しいかもしれない・・と よく考えるとカニパンの裏番組の「おてんばソフィー」も 続きが気になる作品だった(笑)。

今回のキッド

ゴキブリパーツ ★★★☆

やっぱ、チュロスのゴキブリスーツの影響か? それと、ゴミゴミ島になじむデザインとして ゴキブリを選んだのかカニパン。余計な配慮だ(笑)。

女装パーツ ★★★★

まさか、シリアスシーンで女装パーツを使うとは!! それも処理工場で取り外されるという展開も見事。

補足情報

ガーディアンが見てたディスプレーに出てた文字を 書き取ってみた。ミルクのID No.が間違っているかも しれない。しっかり読めなかった。わいえる氏の情報によれば、 カニパンのID番号はガーンズバックのSF小説 「ラルフ124C41+」から取ったものらしい。

NAME : KANIPAN ID NO:124C41
RACE : HUMAN(MALE)
INVENTOR(RANK C)

NAME : KID ID NO: ----
RACE : ROBOTO
INTERFACE ROBOTO FOR KANIPAN

NAME : MILK ID NO:G01055
RACE : HUMAN(FEMALE)
CITIZEN

NAME : NUT ID NO:007X27
RACE : HUMAN(FEMALE)
CHIEF OF DEBUG TEAM

NAME : UNDENTIFIED ID NO:UNDENTIFIED
RACE : HUMAN(FEMALE)
NO DATA

NAME : PEPARONI ID NO:555N24
RACE :HUMAN(MALE)
INVENTOR(RANK C)

NAME : GARAKUTTA ID NO:-----
RACE :ROBOTO
INTERFACE ROBOTO FOR PEPARONI

補足情報その2

この回から、突如、原作者がビー・ネットから、 えんに変更になっているが、これは、いずれも ペンネームとかではなく、企画会社の名前らしい。 (そもそも、カニパンはセガサターン用ゲームの 企画だったらしい)


第24話「なかよし回路は終わりデシか」

脚本 吉田玲子 絵コンテ 福島一三 演出 奥村吉昭

あらすじ

カニパン達がゴミゴミ島から、戻ってくると、 エレックカンパニーが、なかよし回路を特製回路に 交換するアップグレードキャンペーンをやっていた。 やめさせたいカニパン達だが、暴走の原因が なかよし回路でないという証拠が見つけられない。

ゴミ回収ロボトについて文句を言うために ナムルの部屋に行ったミルクは、そこに 隠し扉があるのを知り、ラビオリ、BKと共に、 それを通って地下の秘密研究所にたどり着く。 しかし、そこでナムル達に捕らえられてしまう。

一方、ナムルの秘書が大量にばらまいたチップのせいで、 町中のなかよし回路付きロボトが暴走。打つ手がなく 襲いかかるロボト達から逃げ惑うカニパン達の前に、 カブちゃんJr.に乗ったチュロスとシュウ博士が現れる。 チュロスは、事件の原因が虫型暴走チップであることを 突き止めたのだ。

カニパン達は、その虫型暴走チップの帰巣本能を 利用して、暴走チップがどこから来たのかを追跡すると その場所はエレックカンパニーの地下だった。 そして、そこには巨大なロボトが!

感想

脚本 ★★★★★ 作画 ★★☆

斬新で、テンポがよく、辛辣で、それでいて、 ギャグもあり、そして、もちろん面白い。

  • アップグレードキャンペーン

    全くもってあっけにとられた。私は次回予告を 見て、てっきり、カニパン達がゴミゴミ島から戻ってきたら、 もうロボト達が暴走しているという展開を予測 していたが、まさかこんなキャンペーンを やってるとは・・・。

    アップグレードするとだめになるパソコンソフトが 蔓延している現代を皮肉ってるとしか思えない。 そのCMの表現も見事としか言いようがない。 そして、交換して不要になったなかよし回路がつぶされる その痛々しさ。本当に子供向けなのだろうか。

  • ラビオリ

    こんなシリアスな展開の中、ひとりボケまくるラビオリが とてもいい味出している。

  • チュロス

    虫研究家であるチュロスが暴走チップを発見するという 設定は非常に説得力があった。

  • 暴走チップのミニ四駆改造

    まさか、暴走チップを改造するなんて、 ほんとよくこんなこと思い付くなぁと感心。

    それにしても、今回もYoung Woo Productionの 作画がひどい。ああ悲しい。これだけ、物語展開が 面白くて、作画だけがひどい例というのも、 珍しいかもしれない。それでいて絵コンテは ちゃんとしっかりしているのだ。そうでなければ これほど面白くなるわけがない。

    そういえば、気づいたが、福島&奥村&Young Wooの 作画の回は、キャラの大きな顔が、画面の右か左 からずるずると現れてまたひっこむという セルワークが目立つ。 作画効率を上げるためにやってる苦肉の策か、 それとも福島一三氏がこういう表現が好きなのか? 効果自体はうまくいってるとは思うが、 あまりやると気になるぞ(笑)。

    今回の秘書

    頭のナルト

    いつまでたっても風呂に入ってないのを、 このナルト一つが、見事に表現している。


    [カニパン Home] [1話〜6話] [7話〜12話] [13話〜18話] [19話〜24話] [ミュージカル]


    This page copyright (c) 1996-2014 Masatoshi KATO(Shinmeikai)
    Last Modified on 20