発明BOYカニパン - 感想 第13話〜第18話


第13話「海の底からSOS!」

脚本 吉田玲子 絵コンテ 角田利隆 演出 角田利隆

あらすじ

今日は、海底遊歩道の完成披露パーティ。 遊歩道を発明したのは、エレックカンパニーの ナンバー2、A級発明家のカルビだ。 なかよし回路搭載のロボトの現場監督のおかげで、 工事は無事完成したのだ。

カニパン達が海底の休憩所でパーティを楽しんでいると、 現場監督ロボトのホレルが、大暴れ、遊歩道を破壊し始める。 カニパン達は、海底の休憩所に閉じ込められてしまう。

エレックカンパニーの社長やナムル達は、モノレールで 脱出できたが、モノレールのケーブルも切断され、 残されたカニパン達は脱出できなくなってしまう。 同じく、閉じ込められて動揺していたガラシーは、 ナッツに逮捕される。

そして、休憩所は浸水して大ピンチ。 カニパンは持っていたパラシュートを使って、 浮き袋を作り、みんなを救助したのだった。 今回の事件おかげで、ナンバー2のカルビは、 失脚し、ナムルが、事実上、エレックカンパニー の指揮を取ることになった。

事件は解決した。暴走チップを取り付けていたガラシーも 逮捕された。しかし、その暴走チップ事件の真の黒幕は、 ナムルだったのだ。事件は未だ解決していない。

感想

脚本 ★★★☆ 作画 ★★★☆

ナムルが社内ナンバー2のカルビを失敗させて 失脚させるとは、なかなか渋い話だ。本当に子供向け 作品なのだろうか(笑)。

そういえば、カルビってA級発明家だということだが、 ミルクは以前、エレックカンパニーはA級以上 しか雇わないと言っていた。カルビがナンバー2 ということは、エレックカンパニーは、S級発明家 っていないのかな。ううむ。

それはともかく、謎の声の正体がナムルだというオチの 描写はうまかった。 ただ、以前にエンディングで「謎の声 高橋広樹」という テロップがでちゃったんで、ちゃんとチェックしてる 人には正体はバレバレだったのが残念。「謎の声 ?」 というようなシャレぐらいほしかったなぁ。

今回のキッド

(海底作業用パーツ)たこあし君 ★★★☆

単に迷惑なだけの、墨をはく機能まで付いてる とこが良かった。


第14話「宿敵?ラビオリ登場!」

脚本 山口亮太 絵コンテ 大原 実 演出 石踊 宏

あらすじ

ナムルは、エレックカンパニーのロボトから、 なかよし回路を全廃する計画を本格的に開始する。

本社ビル地下に建設した秘密研究所をアジトにして、 新型暴走チップで、さらになかよし回路付 ロボトを暴走させ、一般市民になかよし回路は 危険だという印象を植え付けさせようというのだ。

カニパンはナッツとロボトグランプリを 見に行くこととなる。 開催地のイノシカ町で迷子になり、ドン・カルパッチョ 一家の少女達にカラまれるが、ラビオリという少年に 助けられる。

そして、ひょんなことからカニパンはロボトグランプリに 参加するはめになった。

今回のロボトグランプリは、リングの外に落ちたほうが負けとなるルール。 第一回戦、卑怯な作戦を使うドンガラバッチョ一家のホワージャオと戦う カニパン、ミルクのカサコプターを改造し取り付けたキッドが、 空を飛んで勝利する。

一方、ラビオリも一回戦を勝ち進んで、二回戦へ!

感想

脚本 ★★★☆ 作画 ★★★☆

いきなり唐突に天下一武闘会モードになり、もしかして こういう展開が数話続くのではないかと、不安になったが そういうことはなくて、ほっとした。

カニパンは安易な闘いを繰り返す作品でないところに 良さがあるのだ。

それにしても盛りだくさんな内容だった。 石踊演出の影響だろうか、映像演出的な面白さが光る回だと思う。 ナムルの悪役状態には大爆笑。ナムルのイっちゃった演技、 音楽、そしてステンドグラスとかの演出が最高。

それと、今回はカニパンをロボトグランプリに誘う時のナッツの しぐさがラブリーだった。それにミルクがやきもち 焼いてるのも楽しかったし、その時のまるで、イゴール みたいな表情のキッドも良かった。

あと、カニパンが謎の壷に吸い付かれちゃうシーン、笑えたなぁ。

ロボトグランプリの試合では、悪役側だけど、ホワージャオの インタフェースロボトのスピンがなかなか発明しててよかった。 空を飛んで勝ったキッドに物言いがつくという描写も丁寧。

今回のキッド

暴漢撃退用スカンクパーツ ★★☆

ガス漏れでパニック。でも、あんまりひねりがないかな。

歌うカサコプターパーツ(この回ではカニパンの命名はなし) ★★★☆

なんかロボコンを思い出すなぁ。 飛び立つ時の耳(?)の部分の変形が結構かっこいい。


第15話「激闘!発明グランプリ」

脚本 山口亮太 絵コンテ 牛草 健 演出 牛草 健

あらすじ

ラビオリのBKと、パージャオのゴーフレットは 芸のない力ずくの闘いになる。

パージャオの武器攻撃に、ひるむBKだが、 ラビオリに罵倒され、怒りのパワーでゴーフレットに 大きなダメージを与える。

ところがゴーフレットに、ナムルの開発した新型暴走チップが 取り付き、ゴーフレットは暴れ出す。

ナッツは暴走ロボトを取りおさえようとするが、 ラビオリが邪魔して、いまくいかない。 カニパンは、巨大プロペラを付けたキッドで、 ゴーフレットを吊り上げようと考えるが、パウの消費が 激しく失敗。

業を煮やした本大会の元締めのドン・カルパッチョは、 ゴーフレットの暴走を止めた者をグランプリとする というルールに変更する。 攻略に躍起になる発明家達だが、誰もゴーフレットを止められない。

カニパンは、巨大プロペラと、スピンとキッドを 合体させ、ゴーフレットを吊り上げ、 ラビオリの妨害に遭いながらも、チップを取り外し暴走を止める。

グランプリはカニパンとラビオリの、どちらか勝った方 のものとなるはずだったが、ラビオリは無免許で参加資格が なかったので、カニパンがグランプリとなった。

しかし、賞金は会場の修理費に消え、副賞のタイシ級のナニ というのは、タイシ級免許じゃなく、タイシ博士をかたどった トロフィーだったので、カニパンはがっかりするのだった。

感想

脚本 ★★★ 作画 ★★★☆

前回とのストーリーの整合性がやや悪い感じはする。 それと、パージャオの方が武器を使ってるのに おとがめなしで、一方、ラビオリの方は警告されるというのも・・・。 ドン・カルパッチョ親分が仕切っている 試合だから、子分のパージャオ側に甘いということかもしれないけど、 それなら、そういう描写が欲しい気がした。

ドン・カルパッチョ親分の役回りもやや中途半端かな。 完全な悪役ではないというとこは、カニパン らしい描写なのかもしれない。

それにしても、第14話で、ポチが「タイシ級のナニ」と言った後に、 カニパンが「タイシ級免許」と勘違いした発言を、 ポチは聞いてたのにもかかわらず、間違いを指摘しなかったのは、 不自然だなぁ。あれは、もう少し何かやり方があったと 思うよ。ポチのセリフを遮るようにラビオリが登場するとかね。

全般的に辛口感想になってしまったけど、内容的には 結構、盛りだくさんで面白かった。全体的にはとても 練られた脚本だと思うが、少しでにつじつまが合わない部分があると、 それが気になってしまい、良さが半減してしまう。 ううむ、脚本というのは難しいものだな。

今回もナッツが良かった。金に目がくらんだのが笑えた。 ふっとばされまくってるナッツも良かった。でももう少しセル枚数 欲しかった部分があるなぁ。

それから、「悪の道に染まっていく自分が恐い」とか ちょっとずつ気持ちの変化がおきている秘書の描写が見逃せない。 このシーンが、後々、どんどん変貌していく秘書の描写に さらなる説得力を与えていると思う。

今回のキッド

歌うカサコプターハイパーバージョン ★★★

パウの消費が大きすぎて企画倒れ(笑)

歌うカサコプター付きスピン&キッド(カニパンの命名なし) ★★★★

いかにも山口脚本らしいパーツかもしれない。 彼の脚本の回には力をあわせるというエピソードが多い。 他のロボトを合体させたというアイディアがいい。


第16話「ラビオリ恋をする!」

脚本 吉田玲子 絵コンテ 福島一三 演出 奥村吉昭

デパートでミルクを見て、人目惚れするラビオリ、 カニパンとミルクが付き合ってると勘違いして、 カニパンに勝負を挑む。

結局、ラビオリとカニパンは、ゴルフでロボト勝負をすることになる。

ミルクの執事ロボトのイゴールは、カニパンとラビオリ のどちらがミルクにふさわしいか審査することにする。

カニパンは自分の発明したパワーグラブで勝負を挑む。 しかし、ラビオリの姑息な作戦に翻弄される。 (といってもプレイ自体はキッドとBKがやるのだが)

さらにイゴールは特別コースを用意する。 さらに勝負は熾烈に・・・というか、はちゃめちゃに なっていく。崖の上、氷、砂漠、雲、地雷のコース。 だんだん勝負にならない変なコースが増えて、 キッド達にも疲れが見えてきた。

その時、突然、ゴルフコースのキャディーロボトが暴走。 ボールをとめどなく打ちまくり、みんなはプレイができない。 カニパンとラビオリは、キッドとBKにいろいろなパーツを付けて、 暴走ロボトに立ち向かう。

結局、キッドのスパイダーパーツとBKの忍者パーツで キャディロボトの暴走を止めるが、コースをめちゃくちゃ。 カニパンとラビオリは駆けつけたナッツに 誉められるところか、逆に大目玉を食らう。

結局、イゴールは、カニパンやラビオリより、キッドとBKの方が ずっとミルクにお似合いだと判断した。 ミルク達は、カニパンとラビオリを残して、 先に帰ってしまうのだった。

感想

脚本 ★★☆ 作画 ★★☆

まぁ、普通のテレビアニメとしてだったら、お話はまずまずの面白さ だとは思うが、ユニークなエピソードの多い、カニパンの作品の中では、 あまりにも普通な仕上がりになってしまっていて、退屈な印象を受ける。

後半の妙なコースの連続やパーツ合戦の辺りは、止め絵の連続が 多く、絵的にも飽きてしまう。まぁ、Young Woo Productionの 作画自体ももちろん問題なのだが、それ以前に絵的に面白くなる 話が作れてないとも思う。

そうは言っても、50%引きでキッドと似たようなロボトが 叩き売られている描写とか、どきっとするシーンも入っている とこなどはさすがだ。そういえば、吉田脚本は、妙に辛辣な 描写が目立つなぁ。

この頃、ラビオリの声優の下手さが結構気になっていたが、 最近(1998年12月中旬)なんか慣れてしまった(笑)。

今回のキッド

一輪車キッド(カニパンの命名なし) ★★★

コース移動用カートに取り付けて走行。 足の部分が一輪車になっててかっこいいぞ。

もぐらパーツ ★

ううむ、アイディア不足かな。単に地中にもぐるだけだった。

稲妻パーツ、掃除機パーツ、のこぎりクワガタパーツ、 スパイダーパーツ ★

掃除機パーツ以外は過去のパーツの流用。掃除機パーツも 特に面白くないなぁ。


第18話「めざせ!栄光のゴール」

脚本 西園 悟 絵コンテ 山本裕介 演出 山本裕介

あらすじ

競馬ロボトの暴走を止めたのは、巨大馬ロボトに乗ってきた A級発明家のユドウフだった。

カンブリユドウフはユドウフの作った競馬ロボトだった。 そのカンブリは、実は次の試合で引退が決まっているという。

それを聞いたカニパン、もし、次の試合で優勝したら、 引退を取り消すようにユドウフに頼むのだった。 しかし、もし負ければ、カニパンは発明家をやめると いう約束になった。

しかし、カニパンが徹夜で作業して改造した カンブリユドウフ マーク100も失敗。 予備のパーツを取ってこようとして疲れて眠ってしまう。 カニパンが目を覚ますと、そこには競馬ロボトの資料が、 あった。カンブリがこっそり(笑)置いていったのだ。

いよいよレースの日。ところがユドウフが頼んでいた騎手が 出られなくなり、他の騎手に頼んでも暴走を恐れて、断られる。 結局、カニパンが騎手をやることになる。

レースが始まり、好スタートを切ったユドウフ、ところが 今回の出走馬で、唯一のなかよし回路搭載ロボトのユドウフに 暴走チップが取り付き、暴走し逆走してしまう。

ニンジンパーツでなんとか、ユドウフのコースは元に戻り、 暴走チップがショートして、ユドウフの暴走が 止まる。 カンブリの激励もあって、 ユドウフは遅れを挽回し、見事に優勝を勝ち取るのだった。

しかし、今回の勝利はなかよし回路の力によるものということで カニパンのランクアップはなしだった。

感想

脚本 ★★★★★ 作画 ★★★★★

感動の傑作。今回、脚本もとてもいいが、それよりなにより、 見事なカット割りの作画がすばらしい。ギャグも シリアスシーンも見事すぎる。

今回のキッド

駅馬車パーツ ★★★☆

キッド不在で、企画倒れ。矢印のマークがさらに笑いを誘う。

ニンジンパーツ ★★★★

緊張の表情のキッドも最高。 審査の時にあれはコスプレだと指摘されるシーンも 大爆笑。

今回の秘書

馬のコスプレ ★★★★★

大爆笑。デザインも秀逸、寺田はるひの演技もすばらしいし、 脚本の不謹慎さも最高、そして、ムチで 打たれ秘書が快感にうちひしがれたシーン のカットワークが絶妙すぎる。


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