防災士の学びからその@〜K 
                 (
平成28年12月3日)  
                         □ホームトップ
                    スマホ版インデックス

 自主防災活動や子どもの安全管理などをもっと学習するために、防災士の学びをして資格を取ることにした。
 10月中旬に防災士教本が届き、1ケ月の自宅学習とレポート提出があった。11月19日・20日の新潟県庁での正味6時間×2日間の講義を受け、試験を受けて資格取得になった。たぶん大丈夫合格したと思う。
 防災士の学びは資格取得のためもあったが、とてもためになったので、そのまとめをしたいと思う。
 防災士教本は31項目あり、それぞれ面白かった。試験も終わったので再度学習し直し、項目ごとに自分の感じたことを簡単にまとめておきたいと思う。

@   近年の自然災害に学ぶ A防災士の役割 B身近でできる防災対策C耐震診断と補強 D災害とライフライン E災害と交通インフラF災害医療 G行政の災害対応 H避難所運営と仮設住宅の暮らしI災害と応急対策 J地域の自主防災活動 K災害とボランティア活動L緊急救助技術を身につける M防災訓練 N地震のしくみと被害O津波のしくみと被害 P火山噴火のしくみと被害 Q風水害と対策R土砂災害と対策 S火災と防火対策 21災害状況の発信と入手22災害と流言・風評 23公的機関による予報・警報 24地震に関する知見・情報25被害想定とハザードマップ 26避難と避難行動 27都市防災28災害と危機管理 29企業防災と事業継続計画 30災害と損害保険31地域の復旧と復興

1、      近年の自然災害に学ぶ

 日本の現在は日本列島全体が地震の活動期に入り、連動して火山も活発になってきている。また温暖化の影響で気候が不安定になってきていて、大雨・大雪・台風の巨大化や竜巻などもある。
 新潟県を考えてみても、2004年の集中豪雨・同じく中越地震・2007年の中越沖地震などがあった。また昨年の大雪による渋滞もあったり、竜巻も経験している。
 自然災害が活発化している中で住民自らが自分たちの生命を自分たちの力で守るという自助共助を大切にして日頃の活動を行うことが必要であると思った。
 内閣府の平成23年の防災白書でも昭和20年から昭和34年(1945年〜1959年の15年間)までの戦後直後は伊勢湾台風まで自然災害の死傷者が多かった。昭和35年から平成6年(1960年〜1994年の35年間)まではあまり自然災害による死傷者が少なかった。平成7年の阪神淡路大震災から死傷者が増加している。こうした状況の変容に私たちは対処していくことが必要である。

 

 2004年中越地震で

 2、      防災士の役割
 阪神淡路大震災では164千人位ががれきの下敷きとなり、約8割の人が自力で脱出した。約35千人が生き埋めとなったが、27千人を近隣住民が救出し、その8割が生存した。警察・消防・自衛隊が約8千人救出したが半数が亡くなったという。災害発生から24時間以内の救出は生存率が高い。
 大災害になればなるほど公的機関の被災もあり、公助が期待できなくなる。自助共助が大切となる。このようなことから地域の防災力が大切なことがわかる。地域の防災力を強くするために防災士構想が阪神淡路大震災以降に生まれた。
 防災士は「救助される人」ではなく「救助する人」を目指すことが大切である。私も地震が起きて、本や家具に押しつぶされないように断捨離をすることにした。読まないであろう本を思い切って処分をした。
 地域の防災力は地域の祭りなどを実施するエネルギーでもあるとの講義を受講した。防災訓練との言葉にこだわらないで「内包された防災」として、夏祭りや敬老の集い、公園愛護活動や青少年の健全育成活動・自治会活動を続けていきたいと思っています。

 

 3、      身近でできる防災対策
 防災用品は、出来る限り「普段から使えるものを揃える」、あるいは「普段から使うように心がける」ことである。自主防災組織で備えている防災用品はお祭りや盆踊り、餅つきなど日常の地域活動で使うことに慣れておくことが大切であるというのがとても良いです。
 平島一丁目自主防災会では敬老の集いや夏祭りに5キロボンベでカレーライスや芋煮会をして、いざという時の訓練を兼ねて活動をしています。リチウム電池を2ケつけてチェーンソーで平島公園の木の剪定をしています。このチェーンソーがいざという時にバール・ジャッキ・のこぎりの三種の神器の一つになります。
 平島一丁目も都会の仲間のようです。豪雨が降ると排水が上手くいかないこともあります。日常的に側溝をきれいにしておいて、大雨の時にスムーズに排水が出来るように呼びかけています。

 


 

 リチウム電池のチェーンソーは便利です。防災用品として活躍するだけではなく、平島公園をきれいにするのに使用しています。 

4、      耐震診断と補強

 昭和53年(1978年)の宮城県沖地震の教訓をいかして昭和56年(1981年)に建築基準法が改正されて「新耐震基準」となった。1981年以降建築された建物は新耐震基準なので比較的に地震に強いケースがある。1981年以前に建てられたものが既存不適格(建てられた時点ではその時の法令を満たしていたが現行法令を満たしていない)になっていて地震に弱いことが多い。
 耐震診断を進めるために「誰にでも出来る我が家の耐震診断」というのが作られたとのことだ。

  

 5、      災害とライフライン

 電力は基本的に復旧体制が出来ているが、大規模災害の場合には1週回以上復旧に時間のかかることもある。電源確保の為に平島一丁目自主防災会では10年前から自家発電機を所持し、祭りなどで使用してきた。平成29年度にはカセットボンベで発電を出来るインバータ発電機を購入する。この発電機を使ってスマホなども充電できるようにする。また音響装置やパソコンも祭り等で日常的に使用して地域の人たちが誰でも使用できるようにと考えている。リチウム電池は充電しておき、日常ではチェーンソーなどに使っている。災害時にはLEDの灯光器が使用できる。ラジオもリチウム電池で長時間聴くことが出来るようにしている。なお夏休みのラジオ体操にも使用している。
 都市ガスについては同じくプロパンガスで5キロボンベとコンロや大なべを所有していて芋煮会等を実施している。
 水については50リットルを5年水で保存していることと、平島公園整備の時のジュースや飲み物を回転させるようにしているが、やはり各戸で用意が一番大事だ。水はみんなのご飯を炊くときに使用する。 通信については171をぜひ使う訓練をと考えている。171は毎月1日・15日に実際に使用訓練が出来るという。やってみることが必要と思う。

 
 リチウム電池は汎用性があるものを使っています。災害時の灯光器・チェーンソーに使うほか、バリカンや芝刈り機にも使えます。またラジオ体操のラジオの電池にも使えて便利です。 

   

6、      災害と交通インフラ

 自動車・汽車・飛行機と交通手段は便利になっている。平時にはとても楽である。しかし地震・大雪・大水になるとやはり徒歩でどこまでいけるかが大事だと思う。日頃から歩く訓練をしておくことも必要であると強く感じている。
 中越地震や東日本大震災の炊き出しボランティアに出かけてみて、盛り土をしたところの道路が凸凹になっていたりすることを強く感じた。研修会の中で地震によって橋のたもとに段差が出来て、通行できなくなるとのことを学んだ。橋のたもとに段差が出来たら、土嚢などで段差をなくして交通路を確保することが大切と思った。
 
 土嚢袋は側溝清掃用に購入してありますが、災害時にも道路の段差解消になることがわかりました。備蓄してあります。

7、      災害医療

 災害時には医療等の機材や人材が不足する。そこでトリアージをする必要性がある。トリアージは救える生命を救う。そのためにはそれほど危険でないものは後回しにし、死者及び救えそうもない場合は救えそうな重症者から優先順位をつけて治療するとの考えである。
 トリアージの考え方は生命をめぐる大変なことだ。しかし、日常活動においても私はある程度トリアージの考えを取り入れることが必要であると思う。一番大切なものは生命である。たとえば言葉づかいを丁寧にすることは大事である。しかし階層的に見れば言葉づかい等は下位の階層になるだろう。生命を守ることが上位の階層にあるから、道路に飛び出そうとしている子どもに「危ない・飛び出すな」ときつく言うことは必要である。
 何が優先順位的に大切かを考えておかないと、理論に振り回されてしまうことになる。結果的に最悪のことにもなる可能性がないとは言えない。

8、      行政の災害対応

 行政の災害対応は国・都道府県・市町村・各省庁などが今までの災害から学びいろいろなことをやっていることを学んだ。私はその中で自衛隊のことが特記しておきたい。
 中越地震の時に私も応援に出かけた。

 http://www1.tlp.ne.jp/tomoyan/jisin/odiya.html

 自己完結型の装備を常備している自衛隊はやはりすごいなあと思った。自衛隊を仲間にと感じた。

 

 また昨年、仲間に誘われて陸上自衛隊の講演と音楽の集いに参加した。その中で防衛大学元学長五百籏頭 眞(いおきべ まこと)さんの講演を聴いた。五百籏頭さんは阪神大震災の平成7117日(1995年)の反省から自衛隊法を改正したとのことだった。大きな地震等災害の時に、自衛隊機がスクランブル発進して、状況を調べているとのことだった。スクランブル発進だからもちろんミサイルを搭載しての飛行とのことであった。暗視カメラがないので夜は状況把握が難しいが、少なくとも火事などの発生は把握できるという。今後暗視カメラなどを搭載していくことが必要とのことであった。
 私は防災と国防は一緒でもあると考えている。日本の国は素晴らしい国である。(他国が悪いとの意味ではなく、他国も素晴らしいが日本も素晴らしいとの意味)日本を災害や侵略から守っていくことは大切と私は思う。

9、      避難所運営と仮設住宅の暮らし

 災害が起きて自分の家などで一時的に暮らせなくなると避難所生活となる。避難所運営は基本的に被災者が自主的に行うことが原則となる。中越防災センターの稲垣さんの話から、日頃コミュニティでの活動が活発に実施されているところは避難所運営もスムーズとなり、仮説住宅の暮らしから災害復興への道のりもスムーズになっていたと聴いた。
 長岡技術科学大学の上村さんの話では『大凧合戦は防災活動ではないか』と離され、防災活動などというより内包された防災活動が大切とのことだった。私も平島一丁目自治会の夏祭りや敬老の集い・平島公園緑化活動・フリマなどの地域活動を活発にするために自治会費の有効利用をしていきたいと思った。こうした活動に参加しない自治会員の人にとっても、地域の結びつきが強いことは災害時にメリットがあるともいえることがわかった。地域の結びつきがあれば、日頃地域活動に参加していない人も結果的に助け合いのメリットを受けることになるのである。

  

10、災害と応急対策

災害対策は一般的に@予防A応急B復旧・復興の時系列的に捉えられている。災害時の応急対策として災害救助法があり、救助の手法や手段などが決められている。こうした各種応援支援制度を理解し、実際に応用できるように努めることが防災士には求められる。防災士は災害時の公的な援助と被災者との隙間をうずめる役目を果たすことが必要とのことだった。
 地域での自治会活動・街の緑化清掃活動・青少年の健全育成活動などを通して、内包された防災活動を実施し、災害時の応急対策でも自助・共助・公助がスムーズに展開できるようにと思う。このために平島一丁目自治会では防災士が複数人になるように予算的な措置を講じたい。また日本防災士会にも加入したいと思っている。
 平島一丁目自治会で複数人の防災士がいることで、他の自治会や学校等へも防災訓練の派遣等をスムーズに実施できるようにと考えている。活動は一人でやるよりも複数で助けあってやると効果が倍増するからである。平島一丁目での内包された防災活動の実践をいろいろなところで普及させ、同時に他の地域からも学んでいきたいと思っています。
 昨年1022()には夜間の防災訓練を実施してみました。ウィークディの夕方暗くなってからとの設定です。共同募金会の助成を受けてリチウム電池のLED照明を使用して、災害時の初期対応訓練でした。

 

 

11、地域の自主防災活動

 自主防災活動の基本が『自分の生命は自分で守る』『みんなの地域をみんなで守る』との自助・共助の考え方にとても賛同した。私も児童健全育成の仕事をしていて、子ども達にいつも『自分の生命は?』と尋ねた時に『自分で守る』と答えさせるようにしていた。私は小学校下校後の放課後児童クラブを主に担当していた。小学1年生の夏休みを過ぎたら、自分の生命を自分で守る自覚のないのは困ったものだからだ。民法上の小学生になったら事理弁識能力が確立すると見なされている。事理弁識能力とは自分の生命は自分で守ることを認識する能力のことだそうです。
 地域の中で自分の生命を自分で守るとの認識を強くし、そのために何をやったらよいかの実践をするために地域の自主防災活動は、とても大切と思います。
 防災活動というと防災訓練と思われがちですが、防災士の研修会で長岡技術科学大学の上村さんの『内包された防災活動』との考えがとても良いと思いました。地域の祭りや敬老の集い、公園整備、餅つき会、ラジオ体操などなどの活動で意図的に防災活動を楽しく組み込んでいきたいと思いました。こうした地域の仲間作りが災害時に大きな威力を発揮するとの上村さんのお話に勇気づけられました。写真は敬老の集いに消防暑職員による火事に注意の話をしてもらいました。

 

12、災害とボランティア活動

 平成7年の阪神淡路大震災からから平成23年の東日本大震災など平成28年の現在まで多数の災害ボランティアが活動したのは15回あったそうです。15回の中で平成16年の新潟福島豪雨・中越地震、平成19年中越沖地震と新潟県は3回のボランティアの受け入れをしています。新潟県はその意味でも災害ボランティア先進県であるとポジティブにとらえることもできるのではないでしょうか。
 ボランティア活動は経済的時間的余力のある人たちがやる活動から、地域の為にみんながやる活動にしていく必要があると思います。そのために、自治会・企業・NPO団体などが若い人たちを率先してボランティアに出すシステムを作っていくことが必要と思います。私は自治会として災害ボランティア派遣のための交通費・食費や若干の日当をつけることが出来るシステムを少しずつ構築しています。いろいろな人たちが実際の災害の現場でボランティアをしてみることは、自分たちの地域を守るためにどのような準備が必要かを学ぶことでもあります。自治会費はこうした活動に使われることが大切との考えを普及していくことが大切と思います。
        

   2月4日(土)追加
 祭りと防災は一緒ではないかとの上村先生の提案を具現化してみました。2月3日の節分に豆まきと防災用具等の点検・草刈り用具の点検そして花火会をしました。自治会関係者33名・警察消防から7名来てくださり、有意義な集いをすることが出来ました。夜の消防車の装備に子どもたちが眼が点でした。
 
 照らされた消防車ではしゃぐ子ども達

 
 自走式芝刈り機の点検作業

 
 豆をたくさん拾って子どもたちも大喜び

 

□防災士2
□防災士2
□自主防災メニュー
□2003年ドラえもんの消防自動車
◇中越地震2004
◇中越栖吉2004・12
◇2005年春自主防災
◇2005年夏祭り&自主防災
□2011年本音の春祭り(自主防災も兼ね)
◇東松島市2011
★南相馬へのワークショップ2012
□2016年ふゆまつり(濃煙体験・防災楽習迷路など)
□防災活動と防災士のこと


                    □ホームトップ
                    スマホ版インデックス