「いや〜ん」制作記 (1999年6月から2000年2月)

2000年 2月16日(水)

CGAコンテスト向け小作品

このページの更新停滞ぶりは目に余るものがある。 当初から計画しているストーリーでの作品の制作には、相変わらずあまり進展がない。 日々思うことのページにもあるように、 去年もDoGAのCGAコンテストには応募していなかったこともあり、 今回はキャラだけを流用し、急遽別にネタを考えて小さい作品を作ることにして、 それは一通り完成した。

ネタばれになるのがちょっと問題かもしれないので、画像等は当面出さない予定だ。 まぁ、近年CGAコンテストのレベル向上は目を見張るものがあるだけに、 作品規模も著しく小さく、ネタもしょぼいので、選外になる可能性は濃厚だ。 従って、選外確定の時点で、画像公開するということにする(笑)。

ま、でも、いくつか技術的解説だけしておくことにする。 今回の作品も相変わらずImagineをメインに使用した作品である。 実はImagine自体、当時のver.1.3.4と比べて、 現在のver.2.0はそれほど重大な機能追加はないので、 Imagine1.3.4以降の新機能を使ってどうこうというのはそれほどはないのだが、 2年前の萌え燃えシスターズではやらなかったことをいくつかやっている。

  1. LifeFormStudio付属のモーションキャプチャーデータ利用

    モーションキャプチャーの利用については、このページにもすでに紹介済みだが、 今回の作品はモーションキャプチャーを利用している部分が2シーンある。 一方は失敗している感があるが、もう一方はまずまずうまくいったと思う。

    実は自分で行なうモーションデザイン自体もプレビューが圧倒的に高速なLifeFormsを使うということを、 検討に入れ、作業を進めてきたのだが、位置合わせの難しさ、 実際のオブジェクトでプレビューしてみないと結局わからない面も多いこと、 作業効率にも難があるなどの問題で、 今回の作品では、LifeFormsStudioに付属していたモーションキャプチャーデータを、 LifeFormsで若干修正加工して、作品内で一部使用することのみにとどめていて、 そういうデータを使わない部分のモーションデザインは、Imagine上で行なっている。

    データの使用方法だが、まず、LifeForms側でBVH形式のファイルとして書き出し、 2コマ抜きで、宇佐美氏考案のツールとほぼ同じ機能の自作ツールを使って(宇佐美氏のツールを、 そのまま使用するには色々障害があったために、ほぼ同機能のものを自作した)、 ImagineのStage Editor上の人物オブジェクトにモーションデータをインポートしている。 このツールはImagineにキーボードコードを送って、 自動動作させるという仕組みであるためもあって、 その作業はあまり高速にできるものではないため、作業効率にやや問題がある。

  2. Deform Toolによる口パク

    これもこのページに紹介済みである。人物の口をパクパクさせるには、 Statesか、または、単純に2つのオブジェクト同士による、モーフィングによる方法もある。 Statesによる形状モーフィングは、Boneオブジェクトには適用できないので現実的ではないが、 単純に口の状態を変えた2つのBonesオブジェクトを用意し、その2つのオブジェクトで、 モーフィングする方法は、それほど悪い方法ではない。

    ただ、Deform Toolによる方法は、 オブジェクト自体のポイントエディットとかやらずに済む上、 オブジェクトに直接ポイントエディットをかけるよりも、 ダイナミックな感じに変形してくれることも多い。口の形状がだいたい同じならば、 何度でも流用が可であるなどメリットも多い。 そんなわけで、結構いい方法ではないかと思う。

    ただし、頭部が動いている場合に、Deform Toolと位置合わせをするあまり手軽な方法が 思いつかない。 今のところ、1から2フレームおきぐらいに、いちいち、合わせるという愚直な方法をとっている。 まぁ、少々ずれたって、さほど問題はないことが多いが、面倒であることは否定できない。 位置合わせのために、人物オブジェクト頭部の適当な3箇所のAXIS(例えば、首関節と、 左右のおさげ髪のオブジェクトの合計3つ)と同じ座標に、Deform Toolオブジェクト自体にも、 位置合わせのためにダミーAXISをグループ化させてやり、それを目安に位置を合わせている。

  3. 全編レイトレーシング

    萌え燃えシスターズではほんのわずかにレイトレーシングを使った部分もあるが、 それ以外はスキャンラインモードを使っている。だから影が全く落ちてない(それを補うため、 ダークライトを使ってきた)。、もちろんそれは、計算時間を考慮してのことである。

    しかし、人物オブジェクトの場合、前髪部分とか、 鼻に影が落ちてないと、キャラのかわいさが半減するという印象を感じていたため、 今回はすべて影落としのレイトレーシングで、画像を制作した(そのせいで、 あやうく締切に間に合わないところだった。笑)。

    今回の作品では背景が地面以外、全く省略されているためということや、 作品規模も小さく、マシン環境も改善しているのだが、 それでも、そのまま何も考えずにレイトレーシングを使うと、著しく計算がかかってしまい、 間に合わなくなる。 そのため、足元の影が見えてない部分で、かつ、背景が静止している場合は、 まず、地面のオブジェクトだけの静止画をレンダリングした後、 それをバックドロップ画面として、人物をレンダリングして計算時間を節約している。

    また背景が動く場合でも著しく計算がかかると思われる部分は、影が落ちていなければ、 やっぱり、地面の部分の画像をあらかじめ連番ファイルに落としておき、 それをバックドロップにして、使っている。ほとんど間違いなく、 背景と人物は別々にレンダリングした方が、 計算時間を節約できることがわかった(スキャンラインモードの場合、そうでもない)。

    影を落とす光源は平行のもの一個のみにして、 あとは、補助的に影を落とさない点光源を1つか2つ使っている。

  4. AB Fakely使用

    これもすでに述べているが、今回の人物オブジェクトの肌の部分はすべて、 AB Fakely Textureを使って、少しオブジェクトの端(それは厳密に言えば、 カメラに対して、小さい角度の面)が茶色っぽくなるようにしている。 これは、光源を使いすぎたり、環境光を多用したり、オブジェクトのBright値を上げたりすると、 どうしても、人物オブジェクトが、平面的になりすぎて明るい背景上では、 目立たなくなること、また一方、そういうことをしないと、 ちょっと影の部分がくどくなりあんまりかわいくないというジレンマを軽減できないかと いう理由で使っている。 エッジを強調してるので、なんとなくToonシェード風という印象を与えるのではないかという 期待もある。 まぁ、それと、そうした方が、他の作品と比べて、絵の感じに個性もでるしね。

  5. テロップ使用

    今回は初めてセリフありの作品となった。 実は声優については、以前から、某声優サークルと話をしており、 その方たちにやってもらえるという話になっているのだが、 今回は急遽作品をでっちあげたため、それが間に合わないので、 テロップを使った。 今回、安くていいソフトが見つからなかったので、これもImagineを使った。 テロップなしの画像を作っておき、それをバックドロップとして、 テロップの入った板状オブジェクトを配置した画面に合成する。 すげ〜、めんどくさい作業だと痛感した。今後はもっといい方法考えないといかんかもね。

  6. レンダリング画像サイズを752x480から640x480に変更

    案山子では、画像サイズは752x240を縦2倍にして、AmigaのPARに転送、 萌え燃えシスターズは752x480を直接レンダリングしていた。 今回もPARを使ったことは同じなのだが、752x480はピクセルのアスペクト比が違うので、 Windowsマシン上で、へしゃけた画像になり、うまくレンダリングできてるのか、 わかりにくい欠点があった。このため、640x480にして、あとで、752x480に加工しなおしている。 これには以前なら、Amiga側のADPro2(Art Department Pro2)を使っていたが、 これはやたらと時間がかかる欠点があるために、 今回からは、サムズプラス5Jを使用している。そこで、無圧縮TARGA形式を生成し、 PARに読み込ませているのだが、無圧縮TARGAはでかすぎて、 Amigaとのデータ交換に使用している128M MOでは荷が重過ぎる。 PaintShopProは圧縮TARGAを生成できるので、これで、圧縮した後、Amigaに読ませている。 すごいめんどくさい(笑)。圧縮しないでやった方がいいか、どっちがいいか悩むところだ(笑)。 若干画質劣化はあるはずだが、 そもそもどうやったってピンボケっぽいNTSCではそれほど画質に違いはないと思う。 それとちゃんとサムズプラスは真面目にきれいに仕上がるサイズ変更をしてくれるソフトだし。

    ちなみに640x480にしているのは、実は、Illusionの利用や、 CD-ROM化なども考慮に入れてのことである…というか、最終的にはAmiga PARでない出力環境も 模索しているのだけど、先立つものがない(笑)。


12月12日(日)

制作

久々にこのページを更新するんだなぁ。参った参った。 それにしても、はかどらないなぁ。実は昨日ずっとモーションデザインやってたんだけど、 全然進まなかった。LifeFormsStudio、まだ、体がツールを覚えてない。 でも、やっぱいいツールだなぁ。これなきゃ、もうモーション作れない気がする。 内作ツールをかませて、Imagineに読み込ませるのに、時間がかかりすぎるのが辛い。 位置合わせも難しそうだが、まぁ、完璧じゃなくてもいいか。

それから、えっと、羊のモデリング中。新規で作ることも考えたが、 手元にある牛のオブジェクトをベースに直してみる。 撮影した写真を参考に直す。来年の干支は辰だというのに、羊やってるなんてな〜(笑)。


10月2日(土)

核融合研がらみで、Imagineを使ってて、こっちの方が、一向にはかどらなくて、 大ピンチ。現状脚本で作業を進めるか、それとも方針変更するかで悩む。 方針変更のネタは一応あるが、今のままだとあんまり面白くない。

なんか、もう少し面白いアイディアを思いついて、 キャラは流用で作っちゃうかなぁ〜。どうしような〜。 DoGAのコンテストにどうしても出すということに絞ると、 現状ではやっぱ間に合わないだろうしなぁ。困った困った。

とりあえず、どうするか方針を決めぬまま、作業を進める。 以下、謎のモデリング。

謎のモデリング

土曜日午後作った。どっかから持ってこようかとも思ったが、 やっぱ最初っから作った。なんか恐いねぇ〜。 午前は核融合研がらみの作業、いずれにしても今日はImagine漬けの一日だった。


9月26日(日)

Deform Toolを使用した喋るテスト(23.5K bytes)。 わりとうまくいった。ちょっと位置合わせが難しいが、わりと手間のかからない方法なので、 使っていこうと思う。この方法だと歯を入れるのが難しいけど、まぁ、 無理に入れることもないかな。


9月25日(土)

なんか、まるではかどらないうちにもう9月が終わろうとしているなぁ。 とりあえず、眼鏡まで完成。レイトレーシングでレンダリング。

ユリカ眼鏡

7月8日(木)

主役と準主役のモデリングの仕上げ段階に入る。 現状でも動かすことは可能だが、 実はまだまだいろいろやることがある。

とりあえず、まりんちゃんオブジェクトを色々修正。

…ってことで、その結果、まりんちゃんはこんな感じ。

真まりん 真まりん後ろ

一方、今度は、ユリカちゃんの方。とりあえず、テスト。

ユリカ謎のテスト画像

7月6日(火)

いや〜ん、相変わらず、進捗が遅い。 とりあえず、骨組みは入った。あと、これがいろんな動きで破綻しないで 動いてくれるかだなぁ。

ボーン入り(ユリカテスト9)

案山子や、萌え燃えシスターズのオブジェクトでは、 スカートには別Boneを入れていたが、これがポーズ付けの作業効率を著しく下げていたし、 計算速度低下にもつながっていた。 今度はLifeFormsとBVH Importerによるモーション付けを行なうので、 より骨組みの少ないオブジェクトである方がいい。 ということで、脚のボーンでスカートも制御することにした。 そして、スカートの形状も、タイトスカートにしたのである。

もちろん、スカートがひらひらすることには、依然として強い魅力を持っているが、 まぁ、とりあえず、Aパート版はできるだけ制作負荷を下げるオブジェクトに した(…ってBパートはどうなるか、構想はあるけど、今後の制作状況による)。

ところで、このタイトスカートのボーン、あまりうまく入っていない。 脚を上げると、腿の部分が若干スカートを突き抜けてしまう。 それについて、

等々考えたが、アホな私はまだよくわからない(苦笑)。

ま、スカートに隠れた腿などそもそも入っていなくてもいいので、 とりあえず、現状では腿のポリゴンに、Solid TextureのFilter 100% マッピングして、透明にしてしまうことにした (腿のオブジェクトは、今後のデータ流用のため、今のところは全部残したいのである)。

腿上げ(ユリカテスト10)

ちょっと透明でない部分が漏れているが、画像サイズも小さく、 圧縮率も高いので、この図ではあんまり見えてない。 スカートの前後に一本ずつボーンを入れて、これを、若干動かして、 腿の著しい突き抜けを防ぐという方法も考えてみようかなぁ。結構ややこしくなってるな。


6月10日(木)

ってことで、服を作る。靴はとりあえず、まりんのを色替で流用。

全身(ユリカテスト7)

後はこれに骨組み入れなきゃ。三重構造になってる部分があるから、 ここはやっかいかもねぇ。

それから、靴をどうしようかなぁ。

おっと、それから、バンプマップで削って、まぶたを二重にする。

顔(ユリカテスト8)

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Last Modified on Saturday, 25-Aug-2007 14:23:36 JST