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■2003年11月〜12月   詳細トップ

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  11月12日  新しいホームページを作った
 新しいホームページtomoyanの『遊びを考える』PARTUをケーブルネットで作った。
 http://members.home.ne.jp/tomoyat/
 というものである。主に室内遊びを中心に作っていこうと考えている。また2004年の日記は新しいホームページに作り、2005年になったら、2003年を消してPARTTに戻ろうとの考えである。

 子どもたちの遊びをunderstandするようになってからいろいろと見えることが増えてきた。「子どもの遊びはルールあるケンカ」トムとジェリーのようになかよくケンカしなと主張することが大切。子どもは子ども同士の切磋琢磨で伸びるから子ども同士のグループワークが大切。児童厚生員は子どもの遊び場環境作りが大切。子どもは大人が思うほど勝ち負けにこだわってはいない。背が高いと威圧的になる。子どもの遊びの選択肢を増やすことが大切。などなど見えてきたものが多い。忙しいけれどホームページや保育士・児童厚生員の研修会などではできるだけ子どもの姿とそのとらえ方を主張していきたいと思う。

      

 子どもの目線のさらに下になり、子どもの感じ方を共有することも大切である。新潟福祉医療専門学校の実習生の上の写真のような接し方を大事にと思う。
  11月16日 光村図書より原稿依頼が来たので書いてみました

人に学ぶ

ともちゃんから学んだ新しい遊びの手法

有明児童センター 田中純一

 

有明児童センターは新潟市の西地区の住宅街にある民間の社会福祉法人の運営する児童センターです。午前中は就園前の乳幼児が利用し、午後からは留守家庭児童のための児童クラブやサッカー・ローラースケートクラブなどの小学生で毎日200人程の利用で賑わっています。

ともちゃんはダウン症の障害を持っていました。児童センターの隣の小学校の障害児学級に12年前に新1年生として入学しました。ご両親が働いていたので、放課後は児童センターの児童クラブに入会し、お母さんがお迎えに来るまで児童センターで遊んでいることになりました。

ともちゃんは入会したばかりの時は言葉がはっきりしないこととみんなとうまく遊ぶことができず、トラブルも多くありました。そこでできることはさせるけれど、できないことは無理をしないで、本人の発達をじっくり待つことにしました。

小学校2年生の夏休みを過ぎました。午後5時から行う児童クラブのキックベースをやっていた時のことです。ともちゃんもやりたそうな顔をしていました。

「ともちゃん。ボールをキックしてみる?」

と尋ねるとやるというのです。でもキックするだけで走ろうとしないのです。これでは試合になりません。そこで私も一緒にともちゃんと一緒に走ることになりました。私が1塁にセーフになればともちゃんもセーフとなるというルールにしました。

 

 ツーパワー・スリーパワー遊びへの発展

 ともちゃんに私は学びました。それはともちゃんとの遊びの手法をみんなに活用させることです。キックベースをやる時に最初からツーパワー=2人組・スリーパワー=3人組のグループを作っておきます。例えばスリーパワーで5グループ対5グループで戦えば15人対15人でキックベースができます。満塁の場面なら一塁に3人・二塁に3人・三塁に3人・ホームで蹴ろうとしている人が3人待っている人が3人となります。守備は15人です。

 子どもたちは3人で協力して遊ぶことになり、子どもの人間関係も深まります。初めての子どもでもルールの分からない子どもでも下手な子どもでも遊びながらキックベースのルールが分かってきます。子どもは子ども同士の仲間関係で学んで成長していくものです。ともちゃんから学んだツーパワー・スリーパワーの遊びの手法はみんなに有効な遊びの手法でした。

 ともちゃんは卒業して高校生になっていますが、ツーパワー・スリーパワーの遊びの手法は健在です。トランプなどの室内遊び・ドッジボールやリレー・ジャンケン陣取りゲームなどにも活用ができます。最近の子どもは負けることを極端に嫌う子どもも増えています。でもツーパワー・スリーパワーで遊べば負ける悔しさが分散し、勝った喜びは倍増します。そして子どもたちの学び合いが深まっていきます。

 ともちゃんありがとう。

http://www.na.rim.or.jp/~tomoyan/

yahootomoyanで検索できます)
      

  ツーパワーでバックギャモンを遊んでいます。サイコロを振る係とコマを動かす係が協力して遊んでいます。一人で遊ぶよりも楽しいです。

      
 トランプをやるときも二人組で8人で遊んでいます。新潟市での研修会での様子。

 12月23日 天皇誕生日はありがたいですね
 児童館・児童クラブに勤務しているとなかなか休みをとることができません。職員の人数も多くないのでなかなか勤務が大変です。とくに年末は学校は休みになるし、次年度の計画などで仕事は忙しくなるしだからです。平成になり12月23日が休みになったのはとても助かります。年賀状を書くことができるからです。



 12月20日にNHKの「おはよう日本」の関東甲信越版でジャンケン遊びを5分ほど取り上げてもらいました。
      
 最近の切れやすい子どもたちにはジャンケン遊びが有効と私は考えています。

 児童館・児童クラブの仕事は社会福祉援助総論にあるようにソーシャルケースワーク・ソーシャルグループワーク・コミュニティーワークをうまく駆使することにあると思います。ここまでは研修会や理論で学ぶことができるのですが、現場でどのように活用したら良いかにはついてはまだまだ不十分な状態です。私としてはそこらへのところを現場として充実させていきたいと思っています。



 ケースワークについて

 児童館・児童クラブにおけるケースワークは実は子どもの遊び集団の中でグループワーク的手法で相手をすることが必要であると私は考えています。その前提として障害を持つ子どもや問題行動を抱える子どものケースワークは一番経験の深い職員が当たることが必要と思います。障害児がいるとその子ども担当の職員を増配する制度がありますが、たいていその職員は臨時であることがあります。本当は正規職員が一番当たる必要があると私は考えています。一番能力のある職員が(能力を出すべき職員が)問題行動や障害を持つ子どもにあたり、その子どもを「」付き健常児の遊びの中に入れていくことが必要です。仮に一人担当だとしても問題行動を抱える子どもの職員が一人であたり、その間は子どもたちは自分達で遊ぶくらいの能力を育てておくことが必要と私は思います。
 問題行動を抱える子どもを子どもの目線の下からunderstandして、その問題行動を解決する手段は何かを考えます。たいていの場合子ども同士の仲間作りが必要となります。その手段としては仲間遊びとなります。排他的でない民主的な人間関係を児童館・児童クラブの中に作っておき、ツーパワー・スリーパワーの手法を活用してジャンケン遊び・自然とのふれあい遊び・ごっこ遊び・ゲーム運動遊び・サッカー等の遊び・工作などの遊びをグループワーク的に日常遊びとして定着を図っていくことが必要です。
ツーパワー・スリーパワーで遊ぼう

 グループワークについて

 上記のケースワークで書いたように児童館・児童クラブでの遊びは児童健全育成を目的とした意図的なものである。ですから遊び集団の中でいつも可変的で多様で排他性がなく人格志向的な民主的なグループ作りをすることが必要です。ツーパワーやファイブパワーの手法を使うことによりこうした人間関係を意図したグループを作ることができます。また児童館・児童クラブの遊びの内容は意図的に異年齢異世代が同時に遊べるものにすることが必要です。例えば折紙遊びなどでも難しい折紙ではなくて簡単な(保育園の年中児でも作れる)折り紙でしかも大人までが楽しめるものとなることが必要です。やっこさんユニット折紙やくす玉ユニット折紙などはその典型です。
やっこさんユニット
 また児童館での遊びは子どもの自己実現を目的としていますから、一輪車・縄跳び・竹馬検定表などはなくすべきです。検定表を設けることにより一輪車に初めてのれた感動などが「やっとのれたか俺は後ろ乗りの3級だぞ」などとの言動で壊されるだけでなく、仲間作りが排他的になるからです。
 ドッジボール・野球・サッカー・缶けり・鬼ごっこ・バスケットボール・相撲などの遊びにおいてもツーパワー・スリーパワーの手法などを活用し、みんなが一緒に遊べるようにすることが必要です。
 遊びというのは実はルールあるケンカだと私は子どもを観ていてunderstandしました。相撲は転ばしあい、サッカーは蹴りあいです。男の子の本能は棒があれば振り回し・石があれば投げ・穴があれば堀り・じゅうたんはむしり・近くに物が近づけば蹴るというものです。当然遊びの中でルール違反の行為が行われます。多少のトラブルは目を離さないで手を出さない・危なそうなときは注意をする。危険ならやめさせることが必要です。
子どもの遊びはルールあるケンカ
 児童館・児童クラブの職員の活動はルールあるケンカのサポーターですからいつも笑顔なんてのはインチキです。現場はそんなに甘いものじゃあないのです。あえて言うなら個々の子どもには笑顔でグループには厳しくなおちゃんとルールを守らせる威厳も必要です。その威厳は日ごろの遊び場環境作りの地道な活動によるものです。


 コミュニティーワーク

 ユニバーサルデザインという考えがあります。バリアフリーのように特定の人のためではなくて最初からみんなのためにどのような遊具や建物やノウハウが必要かを考えデザインするというものです。児童館・児童クラブというと児童の健全育成ということに絞られてきます。これではコミュニティーワークへ発展しないのではないかと私は感じていました。そこで児童館・児童クラブの職員の最重要課題を「子どもの遊び場環境作り」ではどうかと提案をしています。子どもの遊び場環境作りの内容は草取り・木の剪定・落ち葉拾い・ごみ拾い・清掃・後片付け・建物の保守管理・環境整備です・これらの地域作りと密接に関連しています。乳幼児から小学生・中高校生・大人・お年寄りもみんな関係してきます。近くの公園をきれいにすれば、地域のみんなの仲間作りも広がります。
平島公園クラブの活動
 平島公園クラブの活動は同時に児童館の活動でもあり、自治会の活動でもあり、ボランティア活動でもあります。相互リンクしていることで児童健全育成がいろいろな活動になることができます。児童センターでの環境整備活動も民生児童委員さんと福祉会館・有明父親クラブの共同活動になってきました。
 ボランティア活動も「子どもの遊び場環境作り」ということなら誰でも気楽に入ってくることができます。能力がとくに必要なくなります。草取りにあかちゃんや幼児も一緒に来てくれれば意欲も満々になります。猫の手も借りたい忙しさとは猫でもそばにいてくれればやり気が起きるというきわめて大切な言葉です。猫の手も役立つのですから人間のあかちゃんは最高の癒しです。
 ということで子どもの遊び場環境作りが大切との考えはユニバーサル的であり、地域作りに役立つことだと思うのです。地域とのこうした連携の中から 地域作りへの道が見えてくると私は考えています。
 天皇誕生日に日本人の良さを考えています。日本人は清掃や草取りなどを身分の高い人も低い人もやることができる素晴らしい民族だと私は思っています。子どもの遊び場環境作りを通し、』の日本人のアイデンティティーを取り戻したいと思うこの頃です。

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