間違いだらけの日々思ったこと(2003年7月)


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7月31日(木)

スタートレック ディープスペースナイン ★★★★★☆

ジュリアンがオドーに関する恐るべき真実を知ってしまう話とか、 カイウィンの話とか、肝心な時になって揉めるクリンゴンとか、 挑発されてブチ切れのキラとか、本当に盛りだくさんの内容。

それにしても、セクション31が、ここで出てくるとは…。 いやはや気が付かなかった。言われてみれば確かに…。 シリーズ全体としての流れの面白さは、やっぱり、ディープスペースナインが一番じゃないかなぁ。

ただ、ウォーフとエズリの話は、数回に分けて、事情描写とかをわりと丁寧にやったわりに、 あんまり面白くなかったかな。

ポケモンAG (今回)★★☆,(前回)★★★☆

今回は博物館が狙われる話。出てくるタマちゃんみたいなポケモンはまずまずかわいいが、 物語の方は、マグマ団が出てきたわりに大して面白くない感じ。

前回は、ハルカのポケモンコンテスト初参加の話。 負けた時だけは、語尾に「カモ」が付かないんだね。そこが一番印象的。 ちなみに、高田由美が出てた。

DNエンジェル ★★★

物語的には重要な回。姉妹と密着しまくりのシーンばかり、延々続くので飽きないが、 ありがちな展開ばかりでつないだ全体的に荒っぽい話作りという感もある。 それにしても、こうなってくると妹が一方的にかわいそう。 視聴者の中にもようやく「それって不思議ミステリー」な妹(だからちがうて) に同情する動きが出てくるか…。

7月30日(水)

NARUTO (最近)★★☆

一対一対決。先週だったか、いのとさくら戦で、 さくらの中の人がバトルで活躍したのが、まずまず面白い。 ただ、冒頭のアクションシーンは、闘いに具体的ポイントがなく、 要するに漫然と闘っているという感じ。もう少し、 双方の個性とか得意技とかあらかじめ説明しておいてから、 それに従った闘いというのを見せないと、あんまり面白くないなぁ。

で、今週も前半は女の子対決で、ちょっと盛り上がりに欠けた。 後半はめんどくせーの人が意外に強くて…ってのが面白いとこなんだけど、 うっかり原作漫画でこの人のこの先の事を知っちゃってたんで、 オチが読めてしまいあんまり面白くなかった。 ナルトと犬の人が闘うという展開もあんまりわくわくしないし。 やっぱ、あの石田彰声なヤバい人が、誰とどう闘うのか、この一点に尽きる。

眼鏡できあがる

パソコン操作のための眼鏡ができあがる。 乱視を合わせ、近視の度はむしろ弱めたレンズ。 あまり見え方が良くならないんじゃないかと不安だったが、 パソコン画面のかなり良好な見えっぷりに感動。しっかり開眼したままで、 こんなに右目がきっちり見えたのは、はてさていつ以来の事なのだろうか。 そもそも、手術前は、長い時間、目をしっかり開けている事自体ができなかったし。 この年齢になって、次々に改善していく目の状態。

ただ、乱視矯正があまりにも強いんで、やっぱりちょっと負担がある。 見えるからと言ってあまり酷使しないようにしないと…。

レンズは私にとっては初めてのプラスチックレンズ。フレームも、 小さいものにした。そんなわけで、確かに前のに比べて圧倒的に軽くなったんだけど、 子供の頃からの、重いガラスレンズに慣れてきたせいか、今回の眼鏡に 気持ちいいほどの軽快感はそれほどなかった。でも、 動いても眼鏡がほとんどずれないのは有り難い。

レンズ視野が狭いのは、飯を食っている時によくわかるな。 パソコン操作では全く問題なしだし、別に普通に歩くのも自転車も大丈夫。

7月29日(火)

魔探偵学園ロキQ (Q)★★★,(ロキ)★☆,(ロキ麻見)★★

それって意味ないだろ(自分に対してのひとりごと)。

で、ロキの方、まぁ、麻見の出番はあったが、 いろっぽくていいけど相変わらず量的に少なくてがっかり。 本編の方は料理のシーンが長いわりに面白い演出とかが不足して物足りない。

一方のQは普通に面白い。

Aクラスの方が先に答がわかっちゃったのに、 途中で割り込むQはやっぱりアンフェアと感じたが、 まぁ、Qクラスは勝ってそのまま、負けるとAに降格という一方的に不利な勝負なんで、 これくらいずうずうしくないとダメなのも事実。 だから、こういう展開もありかな。

今回出てきた田んぼの中の足跡のトリックも、ほどほどに難しくていい感じ。 そういう私はわかんなかったんだが(笑)。

以前に出てきた南京錠のトリック、あれは見事だったな。 暗闇での首絞めのトリックもまずまずだったし。それにしても、 回を追うごとに、むしろトリックがましになってきてるのは何故だろ。 どっかに元ネタがあるのかな。

まぁ、でも、単なる事件解決の展開が増えてくると、 探偵学園という設定の面白さの方がなくなっていって、 他の探偵モノと結局一緒になってしまう恐れあり。

そういえば、Aクラスの連中はどいつもこいつも顔の割れた有名人ばかりで、 ちっとも探偵に向かない気がする(笑)。

7月28日(月)

HUNTERxHUNTER(漫画) ★★★★☆

いやー、とんでもないことになってきたなぁ。 ホント、色々面白いことを思いつく人だなぁと驚くばかり。 それにしても、あれって、どうなんだろ、やっぱり、そうなの? それとも違うの? うーん、続きが気になって仕方ない。

GUNSLINGER GIRL(漫画) ★★★★☆

いやはや、これも凄い漫画だね。こういう作品が、世の中にはあるんだなー。 ただ、男性キャラの描きわけがやや不足がちなのか、 何回か読まないと話の流れとか事情とかがつかめないところがあるな。 まぁ、私の読解力が足らないのもあるんだろうが…。

それにしても、三橋加奈子ファンじゃなきゃ、どちらも、絶対読まなかったろうに…。 私自身、やっぱ、バイオレンス描写の多い作品は苦手だし。 私にはバイオレンス作品に触れなきゃならない運命でもあるのか?

某作品構想

以前、わいえる氏と、「実はこんな物語をなんとなく考えてるんだ」 …などとうだうだ電話で長話をしたことがあった。

その時はその物語の展開などの話で結構盛り上がったんだけど、 なんだか、その後も、ますます色々考えてしまい、 まずは話の流れ、そして、なんだかいよいよ主人公キャラの雰囲気とか、 主人公の父親や母親の事情、周辺キャラとかも、少しずつ頭に浮かびつつある。 一瞬、主人公をえなりかずきっぽいキャラにしてしまい、それは違う、絶対違うと、 思い直したり(一体どんなキャラを考えているやら)。

他にも、わいえる氏と話している時は思いつかなかったことも思いついてしまった。 あー、なんかこれ結構面白いかもと思うような設定。 それをやるには、やっぱ、日本という場が必要なんだけど、 かなり先の未来の話なんで、いろいろとうまく描写できない気がする。 通学シーンとかだめそう。うーん。

最初は単に漠然とこういう設定というのを思いついただけで、 別に何か具体的に発表する目的を持って考えたものじゃないんだけど、 こういうのって、やっぱり文章にすべきなのかなーと迷ってる。 ずいぶん大風呂敷を広げてしまう話だし、物語の根幹ともいえる部分に、 SF的に破綻する設定があるし、私は本当は宇宙とか未来の話とか、 あんまり読んだりしてないから慣れてないし、途中で頓挫する気もする。

一番の問題は、今、別の作品制作をしていること。 でも、そっちは全然はかどってない…(苦笑)。

物語構想の記憶が消えてしまわないなら、このまま、ほっといてもいい気もするけど、 いろいろあるんで、忘れそうだなぁ。わいえる氏に覚えて貰っておくか(おいおい)。

でも、なんかやっぱり、気になってしかたないので、とりあえず、 第一話だけでも書いてみようかとも思う。それが面白く書けたかどうかで様子を見よう。 え、なになに? 第一話は、いきなり寝坊してあやうく遅刻の話だと? だめだそりゃ(書く前からもう感想屋モードになってるよ)。

ま、この文は、結局「間違いだらけの日々思ったこと」ということで(おいおい…)。

ところで、それに関連して悩んでいることがある。 「勝つ」という言葉を、別の言葉で言い表せないかなぁ…ということ。 ちなみに「勝る」も、「勝利する」もだめ。 それが全然思いつかなくて、いや、今のところ第一話を作るのには必要ではないが、 きっとこの先困りそうで、いや、それどころじゃなく、他にも、いっぱい、 いっぱい困りそうで…。続きを書くことなど具体的に考えてないのだけど。

7月27日(日)

アバレンジャー (先週)★★★★☆, (今週)★★★☆

先週は浦沢脚本の爆笑モノ。 この日の怪人は、声が津久井教生で、やたらよわっちいんだけど、 イエローの人に人目ぼれ。いやがるイエローを、 ひたすらニャンちゅー声で追っかけまくりで、大爆笑。 イエローの人のいやがる表情もなかなかたまらんな。

しかも、その後、最近登場したアバレンジャーのプロトタイプの人(今のところ悪役)が、 怪人をとらえて、自分の手下に。今後も時々津久井教生があばれまくる予感。 いかにも浦沢らしい怪作だった。

でも、今週はその出番なし(一応姿はあったが)。 今回は、謎の3人娘が、うぜーんだよとかの乱暴な言葉遣いの歌と、 炭酸飲料で、子供達をあやつる話。歌も結構しっかり作っていて、 なかなか凝ってるけど、やや演出的には物足りないか。次回へ続く話。

ガンダムSEED (最近)★★★/×△

わりと話がよく動いてることもあり飽きない。 宇宙へ逃げるという展開も、乱暴にせよ、まぁまぁ面白い。 しかし、オーブの国の代表者達の自爆ってのはひどい結末。 未来は若い連中に委ね、自分は諦めて連邦の捕虜になるつもりだったのが、 連邦側の大儀のない戦闘行為の証拠隠滅のために、 銃撃戦の上殺されるという流れの方が、物語的に収まりがよい気がするが。

あとやっぱり、アスランがいとも簡単にキラ達と仲良くする展開がご都合主義的すぎる。 アスランとキラの関係は、この作品の肝というべき部分だし (私には面白くもなんともない部分だが)、こんな安易に寝返る展開では、 その屋台骨をぶち壊しにしてしまう。 もうちょっと頓知を働かせて、そこに至る説得力のある流れを作らなくちゃねぇー。

あとは、ザフトにつかまってる方の桑島声の娘(フレイ)が、 恐れを抱いてる筈の男(クルーゼ)に父の影を見て、宇宙船が地球を離れる時に、 自然に肩に寄りかかてしまう描写は、なかなかいい感じ。 まー、あんまり、このキャラが立ちすぎると話が進まん気がするが(笑)。

何かに憤ることによって人々は連帯感を確認する

長崎の事件に関連して前に紹介した、風野春樹氏のサイコドクターあばれ旅の、 7/11の日記 に書かれていた

何かに憤ることによって人々は連帯感を確認する。

…という文章は、私にとって、なんだか座右の銘にしたくなるほど、 印象深いものだった。

さらに、彼のサイトのBBSで、この文章に対して、 XXXという人が意見を書いているのだが、それがまたまた興味深かった。

その中でXXX氏は、彼のこの文章を"きわめて傲慢な物言い"とし、 「今回の長崎の事件で非常に憤っているが、 別に他の人々との連帯感など感じていない」などという意見を書いている。

そもそも、この人は、XXXという、恐らく今回限りの名前(捨てハンドル) で意見を書いているのだが、その行為自体に、 この人の個人的意見というよりも、 他の人もそうであろうという気持ちが含まれているように感じた。

そして「きわめて傲慢な物言い」という言葉から、彼の文章に対して、 この人は憤りに近い感情を抱いている印象を受ける。

つまり、私は、この文章自体に「連帯感を確認しながらの憤り」を感じたのである。 なんと面白い事であろうか。

そんな事を考えるのはあなただけです。 悪を憎む心は、決して連帯感を確認するためにやっているのではありません。 他の人だってそうです。あなたは悪を憎むすべての人達の気持ちを侮辱したのです(声:例えば桑島法子とか)。

などというような言葉を、何かの作中で喋らせたくなった。 どなたか、私の意見に共感した人はいますか?(おいおい)

勧善懲悪の物語の面白さからどうしても抜け出せない一つの理由は、 憤りによって連帯感を確認しようとする人間の本能にあり、 そこから抜け出すような物語を作る上での一つのヒントが、 それを指摘する事に憤る人のリアクションの中にあるように思えてきた。

そもそも、人は直接の当事者でもないことにどうしてそれほどに憤ることができるのか。 ある世界で、何かの対立が起きている時、人がどちらかの側に立ち、 相手に対しての憤りを、同じ側の人々と共有するのは、 ある種の精神的な安らぎを求めての本能的行為ではないのか。 そしてそれが時折、世論を形成してしまう危険はないか。

そして、戦争と平和の問題を考える時に、何かというと、 戦争犠牲者の悲惨さを伝えることばかりに重点が置かれているように思うが、 本当にそれだけでよいのか。 戦争犠牲者の悲惨さを伝える事も、もしかして、 憤りによって連帯感を確認する行為ではないのか。…などと妄想はさらにふくらんでいく。

7月25日(金)

見えにくい日々

眼瞼下垂の手術後、しばらく経過しても、 パソコンのディスプレーの文字がかなり見えにくい状態が続いていた。 目が疲れる夜などは、このページなどを書く程度の作業も実はかなり辛い状況。 そんなわけで、数週間前から、新しい眼鏡を作るため、眼科に通っていた。

色々調べた結果、結局、手術前から、元々ひどい乱視だったのだが、 目を細めたまま、ディスプレーを見るという習慣が常態化していたため、 そこそこ見ることができていた。しかし、手術後は、ずっと目をしっかり開けたまま、 見続ける事ができるようになった反面、目を細めて、 文字をしっかり見るということができなくなり、結果、手術前より 文字が見えにくくなったという事らしい。 眼瞼下垂の手術は視力に影響しないと手術前、手術後に何度も説明を受けてきたが、 そんなに単純なことでもないようだ。

特に、右目の乱視が酷い。元々、今の眼鏡でも、 かなり強い乱視矯正をしてあるのだが(もちろん特注レンズ)、 完全に乱視を矯正するのはあまりに強すぎるからと、少し弱めにしてあった。 一方、左目の乱視は、右に比べるとまだましなのだが、 元々右より視力が悪い上に、視力が今よりまだあった頃から、 眼科検診のたびに、時々、弱視が疑われていた。 通常はまずまず見えるが、それでも右に比べるとだいぶ暗く見えており、 疲れているときなどは、視力が異常に下がってしまう困った目なのだ。 時々、眼科検診などで、コンディションによって、 さっぱり見えなくなる事があった。

その上、眼瞼下垂の状態が右目より若干悪く、ここ数年、 ひどく疲れた日など、見える程度に瞼を上げることさえも難しくなっていた (だからこそ、今になって手術をしたのだが)。 そんなわけで、右目に比べて、あまり使ってこなかった目なのだ。

もちろん、今になって思えば、この弱視自体(いや、それだけでなく乱視だって)、 眼瞼下垂のせいで起きてしまった可能性が十分疑われるのだが、 それなのに、今まで何度となく、お世話になった色んな眼科医に、 一度として、眼瞼下垂の手術を薦められたことがなかった。 もっと早く手術をやっておけば、今とはだいぶ違った状況になったかもしれない。 無知で無頓着だと後で本当に損をする。

で、ハードコンタクトレンズで矯正…という話も出たが、結膜炎が起こりやすい上に (通院中の現在も軽い結膜炎)、眼圧測定の際の弱い風があたるだけでも、刺激が強くて、 涙が止まらなくなるやっかいな目なので、やはり、今回も、難しいながらも、 なんとか眼鏡で合わせるということになった。で、色々と検討した結果、 乱視矯正はきっちり行い、近視の度は弱めにした眼鏡を作ることにした。 その度にしたレンズで、試しに、パソコンを用意してもらって画面を見たところ、 悪くない感じ。 さて、この眼鏡でうまくいくとありがたいけど、これでも、 あんまり良くないようだと、今後も苦労しそうだな。 色々と大弱りだ(ちなみに今日は実験的に右目を隠して、パソコン操作。 やっぱかなり見えにくいけど、どっちがましなのか…)。

そんなわけで、このページもまずは眼鏡ができあがるまでは、 あんまり更新が進まないかも。

7月19日(土)

間違いだらけの妄想

もちろん、以下はでたらめな妄想なんだけど、半ば自分のためにメモ。

「オマエ、こういうのは嫌いなんじゃないのか。なのに何故だ? 何故繰り返す? 子供向けの大人しいのを扱っていればいいじゃないか」
「解ってないな。私は確かにこういうのは本当は生理的に嫌いだ。 だからといってその領域に目を背けるのも、いやなのだ。なぜか? 読者の存在だ」
「読者?」

「こういう作品には、それを読んでる人達が居る。それも私は気になるのだ。 作品には、確かにはっきりした作家性があり、全てを公平に読めば、 作品としてのバランスが取れている。 しかし、快楽としての面ばかりを見ているモノもいるだろう。それが気になる。 いや、作家自身にしたって、作品に流れるものは、本当は、 快楽を実現するための口実に過ぎないのかもしれない」

「おいおい、言い過ぎだぜ。立場的に問題発言だ」
「ああ、言い過ぎた。だから言ってるではないか、この文章は妄想だと。 それは、思っていることを、別の形で表現しようという試みですらない事もあるのだ。 単に妄想を面白くするためにさらに妄想を重ねることもあるのだ。 もちろん、それは、正義とか倫理などに突き動かされて行う行為でもない」
「言ってる意味が解らないよ。オマエは作家の気持ちを代弁した存在なのか。 それとも、別の違う何かなのか」
「どちらでもあり、どちらでもない」
「なんだかなぁ」

「話を戻そう。その読者の話だ。私は確かにその領域が嫌いだ。しかし、 私が大人しいものを扱ったところで、その読者はそれを観るか。観ないだろ。 私は、その読者に直接楔を打ち込みたいのだ」
「楔? それが、こういうことだというのか。 でも、結局、多少のアレンジは加えても、 オリジナルをそのままやるしかないだろ。昔ならともかく、 今時、それにする時に、原作とは全く違う別の何かにはできないよ」

「ははは、君はまだ気が付いてないのか。 確かに、今扱っているコレについては、基本的にはそのままやるしかない。 多少のアレンジはあるだろうがね。 そしてそこで、一部のオリジナル信望者は去っていくだろう。でもまだきっと残る。 キャラのファンも出てくるだろう。そこでだ。さらにやることがある。まだ解らないか。前にもやったことがあるだろ」
「前にも? 一体何のことだ?」
「あれだよ、あれ。忘れたのか。何度もやってるだろ?」

「…。あ、そうか、あれのことか。今解ったぞ。 はっ、そうか、それだから、今回の…が、どれもこれも…なんだ」
「そうだ。ようやく解ったか。私の本当に考えているのは、今取りかかっているものではなく、 その先にあるものについてだ。まぁ、実現できるかどうかはわからないが」
「難しいだろ。色んな意味で」
「ああ難しい。でも、それが実現した時、 そこに、まさに私が楔を打ち込みたい読者のうちの何人かはその舞台の目の前に居ると思うんだ。 たとえ、それが批判するためだけに来ていても、それでもよい」
「おいおい…」

「そこで、見せるのだ。私がその領域の人達に見せたいモノをね。 オリジナルでは決して描かれる事のない別の何かを。」
「命の大切さとかそういうものか?」

「…。ある意味それは正しい。しかし、まだ、君は十分解ってない」
「は?」

「確かに見せるのは結局そういうものかもしれないが、しかし、私がやりたいのは、 そういう人達になにかを伝えることではない」
「はぁ? そういうのを見せて、命の大切さとか倫理とかを伝えたいんではないのか?」
「違う。私は彼らに楔が打ち込みたいのだ。あの領域のファンは、 結局は、なんだかんだ言っても、例のあの刺激を求めている。 だから、それを描かないで、別のとっても穏やかな帰結を見せることにより、 この領域の輩を、いやな気持ちにさせたいのだ」
「いやな気持ちにさせるだと?」
「そうだ。プロフェッサーKのようなアレだ! 穏やかなものを見せることにより、 人を傷付けたい。それが私の野望だ」
「そうだったのか。恐るべき野望だな」

…いや、何度も書いてるように、もちろんそんなわけないと思ってるんだけど、 何となく思いついたもんで、書いてみた。ちなみに質問にはお答えできません(おいおい)。

7月17日(木)

劇場版ポケモン「水の都の護神 ラティオスとラティアス」★★★☆

テレビ視聴。

この映画は、ヴェネチアみたいな水の都で、 3DCGな街を背景に「追う逃げる」の描写を繰り返す作品。 その3DCGに囲まれた世界でのスピードある映像感が見所。

3DCG技術を効果的に使おうとするなら、 「追う逃げる」の描写を作品内で多用するのが一番てっとり早い。 この手法は、丁寧にやれば、かなり確実に、観客にインパクトを与えられる。 特に、今回のような、水の都という箱状のものに囲まれた世界ではやりやすい。

でも、今時「追う逃げる」に頼っちゃうのは、他の映画とかで、 そういうシーンがさんざん作られていることもあって、 少々物足りないかと…。物語の方も、オーソドックスすぎる展開だったんで、 なんだか小さくまとまり過ぎた感じ。

でも、夢うつしの設定はうまかったな。映像的にも面白かったし、 話の中でも何度もこの設定が効果的に使われている。

7月13日(日)

デジキャラット ★★★☆

丸尾みほ脚本。でじこ達があきはばらへ行く話。 でじこが訪れたあきはばらは、小綺麗に図案化されて、描写も表層的なもので、 つまり極めてデオドラントなものとして描かれていた。 描かれたもの一つ一つが間違っているということよりも、まず、感覚として違う。 なんだか、秋葉原を知っている人が書いたという感じがしないあきはばらだ。 でも、本当の秋葉原を知っているデジキャラットの視聴者が、 本当の秋葉原の描写を観ても、なんかいやな気分になるだけのような気がするんで、 この痛くない演出が却っていい感じかも。

そういえば、アニメ「こみっくぱーてぃ」でも、 実際にはこんなのほとんどないよ …という極めて理想的な同人誌作家の世界を描いていたが、あれと似ている感じ。 どちらの作品にも、所謂オタクっぽい人物が出てくるが、 外見や断片的な行動にそれっぽいものがあるだけで、中身は実世界のそれとは違う。

それにしても、大須の名前が出てたのはちょっと驚く。大須も有名になったもんだ。

蕎麦屋の噺 ★★★★☆

NHK教育で放送していたスタジオ演劇。うっかり観てしまって引き込まれ、 結局最後まで観てしまう。

演劇と言っても、普通のドラマっぽいカメラワーク。 破門された後、蕎麦屋を継ぐ気になっていたけど、心のどこかで、 噺家になりたいという気持ちが捨てきれない、言葉では言わないのに、 それがにじみ出てしまう男の話。 どうしたいのかを訊かれても、いつも「わかんない」という答を繰り返す描写が印象的。

天才肌の人間って、なんだか結局こんな感じだよな…と思わせる、 見事な人物描写だなと感心。

7月10日(木)

長崎男児殺害事件

私は、 サイコドクターあばれ旅の風野春樹氏の読冊日記(7/9)のコメントにほとんど同意。 一つの特異な事件の原因を、家庭環境や、社会病理につなげようとするのは危うい。

それに加えて、私が思うのは、やはり、マスメディア報道の問題。 こういう事件報道の時に、マスメディアがまずやるべきなのは、 過熱報道を抑える努力だと思うんだけど、 今回も、被害者の悲しみを免罪符に、刺激的にやり放題。 被害者、加害者のプライバシーはぎりぎりまで明かされる。 その先にはそれを観る約1億人の視聴者がいる。

被害者、加害者、双方の周囲に、この刺激的な報道が、 どれだけ重大な負担がかけてしまうか、もっと考えるべきだ。 報道は、当事者でもない視聴者のカタルシスのためにあるわけではない。 今回の刺激的な報道は、その刺激にあてられ、 おかしな行動をする人を増やす効果はあっても、 事件の再発を防ぐのにほとんど効果がないと思う。

あと、具体的な理由は書かないけど、2ちゃんねるの方もどうにもマズイよなぁ。

それにしても、マリー・ベル事件なんて知らなかったな。

7月7日(月)

いろいろ箱届く

アップデート申込をしたPaint ShopPro8Jがちょっと前に届いた。 今回のバージョンから、スクリプト言語pythonを搭載し、 作業の自動化も含め、いろいろと可能性が広がってきた。 連番ファイルの扱いなども楽になるだろうか。 某いやーん制作の際にも役立ちそうな機能も追加されて、 かなりいい感じ。でも、予想通り、 Animation Shopはやっぱりpythonでコントロールできないのががっかり。 でもまぁ、Animation ShopからPSP8を呼び出せるので、 その先はpythonで操作を自動化できるから便利かも知れない。

そして、今日、particleIllusion3の箱が届く (…と言っても、すでにダウンロードで最新版を使っていたが)。 結構、おとなしめのパッケージ。マニュアルに期待していたのだが、 Getting Start程度のものしか入ってなかったのがちょっと残念。 CD-ROMのチュートリアルムービーはなかなか面白いが、 英語の喋りが早すぎ(笑)。

DN・Angel ★★★★

DN魔探偵学園ロキキューエンジェル、感想ひとまとめ計画は、 魔探偵ロキに(竹内でも叶でもない)順子様が参加することにより、 起草段階で脆くも崩れ去った。 しかし、まだ、油断は出来ない。 探偵学園DNQエンジェルという可能性は残っていた。

新明解氏のこの乱暴な感想ひとまとめ計画を阻止するのは、やはり、 ロキ同様、声優によるテコ入れしかないと考えたDN・ANGELスタッフは、 劇薬を使うことにした。そう、あの声優である。

過去の発言によれば、麻見同様、彼女も新明解氏の弱点であるはずだ。 その某声優キャラに水着を着せて、かなり刺激的な、 あーんなことやこーんなこと(声:川田妙子)を喋らせれば、 きっと黙っていないだろう。 そうすれば、探偵学園Qとのひとまとめ扱いは避けられる。 スタッフはそう考えたのだろう(←いや絶対そんなことはない)。

しかし、私はストーリー等もちゃんと重要視する感想屋だ。 いくらなんでも、そんな、水着や小手先の刺激的なセリフに、 だまさ、だまさ、…。すみません。だめです。勘弁してください。 DN・ANGEL、いい加減チェックするのやめるつもりだったのに…。 ええい、どうしてくれようか。

ガンダムSEED ★★★☆

地球連邦による皆殺し作戦により、少々刺激的な展開とは言え、 物語的には盛り上がってきた。 ガンダムWの後半よりは面白く、Vガンダムよりは、わりとまともなスケールで、 戦争をやっている。

特に、天然ボケぎみだった歌姫が、平和の為の闘いに目覚め、 少々ヤバげな感じになってきたのが、面白い感じ。

まー、そうは言っても、敵も味方も、 なんでもかんでもガンダムなのは、ビジュアル的にも、物語的にも興ざめだし、、 せっかく盛り上がってきた国家同士のもめごとの話も (オーブを少々イイモンとして描き過ぎな気もするが)、 結局、何回となく「因縁」として繰り返されてきたキラとアスランの対峙ネタに、 繋げてしまうところが、少々ダメな感じだが、まー、そこはきっと、 鶴の声による指令なので、仕方ないから、そこは無かったことして観れば面白い感じ。 そういえば、最近、桑島キャラが大人しくしているのも面白い理由かも。

7月1日(火)

探偵学園Q (先週)★★★★/(今週)★★★

今週は、番組終わりに入浴シーンありというテロップに苦笑。 だまされるもんかと思いつつも、ついつい最後まで見てしまうのが新明解のさだめ。 で、その入浴シーンはやっぱり地味だったが、 「勝負パンツ」というちょっと刺激的セリフでその地味さをカバー。 なんかオヤジくさい演出のような気もするが、まぁ、わりと工夫している(笑)。

要するに、この作品は、桑島キャラにパンツネタで顔を赤らめさせるのが芸風なのか。 でも、実物は見せない方針らしい。別にいいけど。ま、最終回に期待(おいおい)。

先週は、意外な人が犯人で面白かったな。結構面白いぞロキキュー(ちがうて)。

魔探偵ロキ ★★☆(今回の順子様 ★★★★)

うわーん、あんだけ、次回予告で期待させといて、 我らが麻見順子様の出番は思ったほど多くなかったよー。 それに今回はちょっとおとなしめの演技。 でも、まあ、聴けるだけでもよしとするか。役柄もいい感じだし。 今後のはじけっぷりに期待。

そんなわけで、私にとって、順子といえば竹内であるまえに麻見なのだ …などと言いつつ、BQMAPのチケットも予約っと…。

マトリックス リローデッド ★★★★☆(映像的には★★★★★☆)

JDAFの時、審査委員長の浜野保樹氏が、今度のマトリックスはあんまり良くないと言ってたので、 彼がそう言うなら、私にとっては、きっと面白いだろうと思い、観に行くことにした。 で、実際観てみると、やっぱり面白かった。

ちなみに浜野氏は、インパクの編集長も担当したことがある人で、 blog関連でちょっと話題になったMESH(メディア環境学研究室)のメンバーでもあるんだけど、 なんと、愛知万博のパビリオンにも、押井氏と共に関わる予定だそうで、 インパクの事を思うと、少々心配…というか、おかげで、 愛知万博が尚更楽しめそうと素直に喜んでいるのだが(おいおい)、 それはともかく、映画の感想を。

…とその前に、そうそう、週末、テレビで、タイタニックを観たので、まず、その話を。

観たと言っても、全体のうちの、うしろの1/3程度だが、 こりゃ、まれに見る駄作だと思った。 要するに、この作品は、タイタニック沈没で人が次々に死んでいくという、 シリアスな話の中での、ラブロマンスの差し込み方が最低なのだ。

でも、この映画は興行的には大成功だった。 きっとラブロマンス抜きで、淡々と描いたなら、もっといい映画にはなっただろうけど、 興行的には大失敗しただろう。 格好いい男と女が、迫力ある映像で、ジェットコースター的なラブロマンスをやれば、 物語や演出が荒っぽくても、成功するという見本になってしまった。

その結果、原作等の人気などで、 ラブロマンスなしでも確実にヒットすることが、 解っているものを除けば、金のかかる映画の大半は、 脚本(と書いてホンと読む)を書く時に、 ラブロマンスの描写を入れることが、必然となってしまったかもしれない。

…などと偉そうな書いてみたが、以上の仮説はでたらめ。 だって、そんな解ったことを書くほど、私は、 映画なんてそれほど観てないもん(おいおい)。

ま、映画界全体のことはともかくとして、これまた、お金がかかっていて、 ちゃんとモト取らないと大変なマトリックスの新作にも、 格好いいオトコが出てるんだから、ちゃんと女性ファンが満足するような、 一通りのことはやんなきゃ絶対ダメ…ということには、 なっていたんじゃないかと私は思う。

そう考えれば、そこは「仕方がない」と諦められる。そうなると、 この作品は十分楽しめると思う。タイタニックは、恋愛におちた二人が、 ただひたすら自己中で、生き残るのに必死な他の人達にもかなり迷惑をかけてるので、 結構不愉快な内容だったけど、マトリックスではそういうこともない。 …というか、二人の愛絡みのネタは、どれもなんだか、 わざと、少々滑稽に客観的に描いている気がして、むしろ面白かった。

物語の方も、一作目は、一応「本当の戦いはこれから」というような終わり方だったけど、 実際のところは、これで完結のつもり、先は何にも考えてない…というものだと思うが、 そこに後付で話を作ったというわりには、その当初は考えてなかった 「本当の戦い」がどういうものかを、今回、結構面白く見せたと思う。

そして、アクションはすさまじい。サービス満点。 少々、格闘シーンで退屈な部分もあるけど、全体的には盛りだくさんで大満足。 大したもんだ。格好いいオトコのラブロマンスのおかげで、こんだけ、 金がかけられるんだと思って、感謝しなきゃ。

私が観たのは吹替版。役者自体を楽しみたいのでなきゃ、吹替版のがお薦めかも。 途中、込み入ったことを喋ってる部分は、字幕じゃかなりしんどい (吹替でもしんどいが)。声優選択もいいし。 まぁ、両方観るのが一番いいのかもしれないが。

で、小田井シネマワンダーのスクリーンは素晴らしく、たっぷり楽しんできたのだった。 続きも楽しみ。


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Last Modified on Saturday, 25-Aug-2007 14:20:01 JST