間違いだらけの日々思ったこと(2004年9月)

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9月19日(日) - 華氏911

華氏911 ★★★★★☆

とにかくこの映画は面白かった。 この作品は、確かにブッシュを大統領の座からひきずりおろす為の プロパガンダ的映画という面がある。 私もアメリカがイラクに攻め入ったのは許されない行為であったと強く思っている。

しかし、この映画を観て、私はブッシュに対する怒りを、 さらに深めたわけではない。それより、 アメリカがイラクに攻め入るまでの経緯の描写が、物語として面白い。 それがこの映画を観て強く思ったことだった。

ブッシュ一家と異常なほど金銭の上で親密な関係を持つサウジアラビアの富豪一族。 その息子が911事件の首謀者であるとされている皮肉。 イラクに攻め入る時の、口実とされた大量破壊兵器はやはり見つからない。 それら、様々な話が、時には笑いをとるような少々軽薄な描写を含めつつ語られ、 その結果、娯楽性も高い作品として仕上げられている。そこが素晴らしいと思った。

ただ、エンターテイメントをやりすぎれば、無理が出てくる。 そもそも、できるだけ一人で組み立てようとすれば、 取材に甘さや雑さが出て、内容の精度も落ちるだろう。 一方、多くの時間を使い、多くの資料をあたり、多くの人と相談しながら、 いろんな面に配慮して作品を作ろうとすれば、ピントがぼけるし、時間もかかる。 そのさじ加減が難しい。この作品は、このさじ加減が見事だと思うのだ。 雑さを恐れず、かなりエンターテイメント寄りに倒し、ピントをある程度絞って、 勢いのある面白さを持つ作品に仕上げた。その結果、 日本ではどうだったのかはわからないが、少なくとも全米では多くの観客を獲得した。 それがすごいと思うのだ。

それと、この作品はジョージ・ブッシュだけを悪者として 描いているわけではないと思うのだ。 それと同時に、戦争を利用して富を得ようとしている人達の問題を描いている。 不安を煽るマスメディアの問題も描いている。

そもそも、ブッシュが仮に次の大統領選で負けたとして、 ケリーが大統領になっても、好戦的なアメリカという国自体は、 きっと大きくは変わらない。 イラクはアメリカが入ってしまい大きく変わってしまったから、 だからもはや米軍が撤退すれば済む話でもない。 もしかして、今後のアメリカのイラク復興のやりかた次第によっては、 富めるアメリカ人にとっては、長い目で見たら得になる可能性だって十分にある。 それでも、イラク攻撃を決断したブッシュの行為は誤りだった。 それをこの作品はとにかく主張したい。そう感じた。

ところで、この映画には雑な部分がいろいろあると思うが、 それ以外の部分で、私は一つ気になったことがある。 この映画の終盤に多くみられた戦争の犠牲者の悲しみの描写だ。 ああいうシーンは、平和の尊さ、そして戦争の無意味さなどを語る時によく使われる。 (私は戦争の無意味なものだと平気で語る作品をむしろ愚かだとすら思っているが…)

実際、それは観客に対して効果的な演出だ。 でも、最近、感じるのだ。それはもしかして危ういことではないかと。

戦争による悲惨な犠牲は、平和を支持する理由としてだけではなく、 戦いを支持する理由としても使えるのだ。犠牲になった当事者が、 戦いと平和、どちらを選ぶかは、実は紙一重の問題かもしれない。 だから、平和の大切さを訴えるはずの作品の大半が、 その手札を安易に使っているのは、問題があるのではないかと思うのだ。 それは、私が当事者でないからこそ言えることなのは、一応は解っているのだが。

それともう一つ、この作品がイスラエルという国の影響に全く言及していないことにも、 触れなければならないかもしれない。 事前にその話はWeb等の情報で知っていたが、確かに実際観てみると、 全くと言っていいほど、イスラエルには触れていなかった。 この問題の全体を考える時、本来は、イスラエル、そして、 アメリカを経済的に支える多くのユダヤ人の問題を抜きには語れないだろう。

でも、それは仕方がないことかもしれない。 もし、そこにまでこの作品が言及しようとしたら、 彼の足元がすべてゆるゆるになってしまい、立っていられないのではなかろうか。 そうなれば、この映画を作ることや配給することが出来たかどうか…。 そして、作品自体も、ピントもボケてしまったのではなかろうか。 そんなことを思った。

かく言う私自身も、本当はそれを語る上では、あまり乗せたくはない足場の上で、 それを語っているのかもしれない。 その足場は、反論者にとっては格好の急所かもしれない。 でも、それが、社会に生きる人が平和について語ることの本質の一つなのかもしれない。最近はそんな妄想を抱いている。

そんなわけで、妄想度も強い作品感想は以上で終わり。なお、今回も、 日頃よく行くイオンシネマワンダーで鑑賞した。 平日だというのにお客は結構来ていた。 愛知県内では、上映された劇場が限られていたことがあるのかもしれない。 そういえば、今回は日本ヘラルド配給となっていたが、 栄の南にあったヘラルドの映画館が最近閉鎖になったばかり。なんとも皮肉な話。

で、そのイオンシネマワンダーは、電車を使って行ける場所にあるし、 シートもゆったりしていて、スクリーンが大きく、 後ろの席からも観やすい優れた映画館。 例えば、聖闘士星矢の映画(さすがに私は観てないが)とか、 最近はマイナーな映画も時々上映したりしているので、 名古屋の中でも知名度が上がっているかもしれない。 これからも少々マイナーな映画の上映に期待したいところ。

それにしても、何故、華氏911を、イオンシネマワンダーで上映するのか。 ちょっと驚いたが、考えてみれば、民主党党首の人がジャスコな人。 その影響が強いかもしれない。イオンシネマはなかなかやるわいなどと、 あんまり単純に感心してはいけないようだ(笑)。

9月15日(水) - サヴァイヴ、ポケモンAG、ミルモ、DANDOH!、レジェンズ

なんか、また更新が滞ってしまった。 とにかくいくつかのアニメについてざっと感想を。

サヴァイヴ(先週まで) ★★★★☆

終盤だというのにまだまだ話がよく動く。まだどうなるか見えない。 シャアラとハワード、一回、ハワードの形見で助かるという、 やっぱり死んだのかなぁと思わせる演出を入れた後の、 やっぱり生きてたという流れなんだけど、 ただよかったよかったでは済まなくて、飽きないわくわく(?)する展開。 何食わぬ顔で眼鏡をかけて出てきたシャアラ、 実は眼鏡をロストする部分が伏線だった感じ。なかなか巧妙。 それにしても、まさか、あんな顔のシャアラを見ることになるとは思わなかったな。

ポケモンAG(先週までの平均) ★★★☆

ポケモンコンテスト直前の話(冨岡淳広脚品)がなかなか面白げ。 カナタ(2人でハルカカナタか。笑)というキャラが登場して、 ハルカとの仲の良い描写とかが微笑ましい。 声は松本まりか。喉系の声がなかなかいい感じ。

で、コンテストと言えば、我らが高田由美嬢も登場。 これがあるからAGはやめられない(おいおい)。

あとは審判学校の回(藤田伸三脚本)の、わらしべ長者的なエピソードが、 なかなか妙で良かった。ハルカも結構ひどい事を言ったりして笑。 この回、サリナというおねいさん役で、早水リサ(おやじくしゃみの人)が 出ていたのにも注目。

それと、平松晶子が代役をやっていたムサシ。 そろそろ慣れてきたかなと思った頃に閣下が戻ってきた。 コジローはノリノリだが、まだ本調子ではない感じかも。

ミルモ ★★

久しぶりに一時間スペシャルの回を見たが、なんだかかなりのグダグダぶり。 夢オチかどうかの宇宙旅行の話もぬるいが、 その後の間宮が久々に出た回がかなりぐだぐだな印象。 スパイス効いてる漬け物が出来たというオチはまずまずだけど。 いつもこんなのかなあ。タコが要らない回が多い気も。

DANDOH!(北海道キャディ編) ★★★★〜★★★★★

こりゃ燃えますな。いろんな意味で(笑)。キャディ編面白すぎ。 物語作りの荒っぽさが良い方向に出ている。 いくらなんでも弾道は急激成長し過ぎだけど(笑)。

ひたすらけなげな弾道を抱きしめる赤野プロ。 拓さんと呼ぶときの恥じらう弾道など、女子向けのシーンがメイン(笑)。 帝王のおじさんという呼び方にも笑った。

それと、やっぱ注目なのは、今回はスカート姿の優香。 (昨夜、白のミニスカートと書いたが、違う気がして再確認すると、 グレーのスカートだった。恐らく制服か? 白のミニスカート姿は、 眠っているダンドーが起きるのをベッドの横で待っていた時)。

足を痛めて歩くこともままならなくなった弾道のために、 自らのシャツの両袖を破いて靴の中敷きを作ってあげるとか、 ハートマークのおまじないをするとか、 とにかく、ひたすら弾道に直球のアタックをし続けるが、 女心のわからぬ弾道はそれを単なる友情として受け止める。

結局、優香は、赤野×弾道という、男と男の関係には踏み込めないと、 あの年齢にしてはふっくらした胸を抱えながら悶絶する(だってそうだもん、 嘘じゃないもん←ばか)という、女子向けか男子向けか、よくわからない高度な演出。 新明解はどっちの意味でもダブル悶絶(おいおい)。

それにしても、平山あやの破壊力は最強だ。こうなるともう視聴がやめられない。

レジェンズ(先週まで) ★★★〜★★★★☆

シリアス展開自体よりも、 水のレジェンズをいつまでたっても受け入れない我らが(那須)メグちゃんの描写が、 少々しつこくなってきたかも。 見所はやっぱ、シロンとハルカのデートの回か。 悶絶しまくる全寮制女子校制服姿のハルカが可愛すぎ。


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Last Modified on Saturday, 25-Aug-2007 14:20:05 JST