間違いだらけの日々思ったこと(2004年3月)

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3月28日(日)

花魔法の世界

マリーベルを何話か見始めると止まらなくなる。 なんか別格な面白さなんだよなぁ。最終回を迎えたカレイドスターの感想まとめなければ…。

3月22日(月)

花の魔法使いマリーベル DVD-BOX1

マリーベルと言えば、私に大変強い影響を与えたアニメなのだが、 LD-BOXすら出ていなかった。 それが放送終了後、10年以上経った今になって、 待望のDVD-BOXが出ることになった。

それが今日届いた。現物が確認されるまでは、 本当に出るのか最後まで疑ってたけど、確かに出たんだ! ただ、出たのは嬉しいけど、パッケージのイラストが 全然マリーベルじゃないのはなんとも残念。

なんか、この絵だと、声が堀江由衣あたりで、

おにいちゃん

…とか言いかねない勢い。でも、そんなマリーベルはマリーベルじゃない。 断じて違うのだ。

イラストはがっかりだったが、出ただけで有り難いということで、 さっそく、第一話を観た。やっぱりマリーベルはいいねぇ。 心が洗われる。画質はかなり良好だけど、音の方はイマイチ。 それにしても、これって、モノラル作品だったんだねぇ。 そういえば、そうだったかもしれない。

マリーベルは10年以上待って、ついに念願叶った。 他に、DVD-BOXが出て欲しいのは、 カニパン(超のつかない方)とエトレンジャーとレストル。 さて、どれか一つでも出るかどうか。もし全部出たら、 経済的に買えない気もするが(笑)。

3月21日(日)

セーラームーン ★★★★★〜★★★★

グランセイザーとは対照的に面白さを維持している。 …というか、始まった頃よりも、今の方がずっと盛り上がっている。 女の子や一緒に見ているお母様方は、わくわくして見てるだろうな。 大きいお友達もさぞや満足していることだろう。 実写版女児向け戦士モノは未踏の領域という感があったし、 制作はこういうものに慣れてるわけでもないCBCなので、 正直これほどうまくいくとは思ってなかった。 物語も役者もどっちもいい感じ。アクションもできる範囲内でよく頑張ってる。 …というかスタント娘の動きはかなり凄い。 そもそも、スカート姿(特に戦士前)の女の子達が一生懸命走っているだけで、 心が和むというものだ(おいおい)。

で、内容の感想だけど、まず、 マーキュリーがダーキュリーになったという展開もかなり刺激的だが、 それ以外にも、各キャラには、例えば、 ヴィーナスの正体を先に知ってしまったレイ、 タキシード仮面の正体を先に知ってしまったマコ、 など、それぞれが異なった葛藤する事情を持っていて、 その事情一つ一つが、散漫になることもなく、物語全体をしっかり支えている。

敵側にしても、エンディミオンやマーキュリーのダーク化を巡っての 様々な対立や思惑の違い等があってこちらも飽きない。

強いていえば、悪の親玉であるクインベリルの立場が、 今のところあんまり面白くない状況。 杉本彩も、最初は堅い感じがあったけど、段々風格が出てきたし、 もうちょっとキャラを立てて欲しいところ。 アニメ版のクインベリルや、レインデビラ(そんなのここの読者の大半が知らんて) なんかもあんまり動かない人だったからあんまり面白くなかった。 人間に化けたりするなどして、普通の姿で登場すると面白そうな気がするが…。

で、最近の中で、特に面白かったエピソードとしては、 まずは、もちろん亜美のダーク化周辺の話。 クラスの連中を取り込んでしまったシーンが特に面白かった。 あの時の眼鏡亜美の得体の知れない笑顔が最高。眼鏡最強伝説。 うさぎの親友であるはずの大阪なるちゃんが、実写版ではずいぶん自由自在に 操られてしまってるのも印象的(笑)。ちなみに、実写版の大阪なるちゃんも、 かわゆくて最高。もっと活躍して欲しい気がする。 ダーキュリーのメイクは大沢逸美風な感じで、それほど好みではないのだけど、 時折、照明の加減からか、めちゃくちゃキュートに感じる時もある。 これがあるから実写は面白いんだよなぁ。

それから、何と言っても、レイのコンサートエピソードが最高。 カラオケ機械と格闘しているシーンには爆笑。その前の週の次回予告で、 レイが倒れながら頑張っているシーンが出てたけど、まさか、 あんなコミカルなシーンとは思わなかった。その滑稽さに笑いながらも、 そのレイちゃんが一生懸命頑張ってる姿を見ていると、 全力で応援したくなってくる。ほんと良く出来てるシーン。 ちなみに、歌は美奈子の人よりうまいかも。

そして、やっぱ、タキシード仮面の正体ばれたシーンか。 すんごいアップで、ずいぶん時間使って描いてたけど、 二人とも美形だから絵になるねぇ。役者さん(とくにヒロイン)の顔を、 これほど綺麗に撮ってる特撮系番組って、過去にあんまりなかった気がする。 いやー、ほんま、みんなかわゆくて最高だよ。

そんなわけで、セーラームーンは絶好調だけど、 実は今が頂点という気もしないでもない。 この先、すべての問題が解消されて、単純な善悪対決になってしまったとしたら、 テンションが下がっちゃうのではないかという気もしないでもない。 美奈子の病気の話とかどうするんだろ。

3月20日(土)

超星神グランセイザー ★★★

非常に乱暴な今までのあらすじ

涼子姐さんをお姫様だっこした辺りから、作品的には行き詰まりをみせていた。 要するに、この作品は、面白おかしい新しいメンバーが続々現れることで面白さを 維持していたのだ。

メンバー間の軋轢がほぼ解消してしまって以降は、 後は、淡々と敵との戦いを描く事に終始しており、 それをまじめに描けば描くほどどんどん作品がさめていく。 まともすぎる話を描くのは、グランセイザーのすることじゃない。 今の特撮ヒーローモノで、 単調な勧善懲悪の物語に満足するのは、 そういうものを目新しいと感じる幼い子供ぐらいだ。 一方の我々大きいおともだちの時間は有限だ。 放送時間だって有限だ。 あまりに多くのヒーロー系作品が蓄積されていく中では、 作品の鮮度が徐々に失われていけば、 見る気もたちまち失せていくというものなのだ。

例えばゼブラーマンもそうやって我々の年代から、 徐々に忘れ去られていったのである(それは全然違うだろ)。

でも、ま、現状でもユニークな点がないわけでもない。 一つは、新メンバーの登場を延々描いているうちに、 気が付いたらすでにシリーズ中盤に差し掛かっていた事 (延長もあるかもしれんが)である。 そして、それよりも驚くのは、この作品の場合、 敵の方が圧倒的に弱い事だ。

古代には、集中攻撃で、地球を一回滅ぼすほどの力があった敵側は、 超星神の覚醒を聞きつけ、まずは、アケロン人がわずか1人でのりこんできた。 わずか1人のアケロン人の力で出来ることなど限られており、 人間に化けて、グランセイザー達を騙し、仲間割れさせて自滅させるしかなかった。 その次に、やってきたインパクター星人の集団もまともな戦士はわずか3人。 兵力も少ないので、わざわざ、コントローラーを奪って、 地球で眠っていたロボットを利用したり、とにかく涙ぐましかった。

一方の、グランセイザー側と言えば、戦士は12人いる上に、 5体のロボットと修理センターを持っているという完璧な体制。 こうなると戦術など全く必要とはならない。 力でねじ伏せればいいわけだ。 なんだか敵側には、同情の念すら沸いてくる。

結局、敵側としては、まだ偵察レベルということなのだ。 もう24話にも達しているのにまだ偵察レベルというのは驚きだ(笑)。

なんだか、このままだと、俗にいう「本当の戦い」は省略される予感。 超星神の謎のすごい力であっさり全部けちらしちゃうのかもしれない。 最初は、たくさんの敵が襲いかかっきて、大変だーと思わせておいて、 ある時になると、一つのメカに集合してしまい、それを倒すだけで、 すべて解決という安易な展開かもしれない。

もしかして、昔、あっという間に地球を滅ぼすほど強大だった惑星連合の武力は、 それがあまりに強大であったがために、連合内での内戦を引き起こし、 結局、大半が失われてしまったのかもしれない。それならありうる。 中には、そんな様子を見て、和平を考えるようになった種族もあるのだろう。 そんなナントカ星人が地球にやってきて、グランセイザーと力を合わせて、 宇宙の平和を取り戻すという展開なのか…って、何、この先の話を憶測してるんだよ。

私としては、色々イベントがありそうな8月までは、 続いて欲しい気もするが、物語的には、もういいよという気もする。 だから、4月から7月までは休みにして、 8月に復活して…というのはどうだろうか(無茶言うな)。

とにかく、伝通院滑舌大先生と、麗しの涼子姐さまと、こけしナースと、 すちゃらかゆっさちゃんと、ファッションセンスのオカシイ武闘派ねえちゃん達が、 もっと面白おかしく活躍してくれないと、なんだかちっともなのである。

特撮とかいろいろ凝ってはいるんだけどねぇ。 ロギアたんもなかなかオトコマエで良かったし。

うーん

明らかに視聴量オーバーだなぁ。何を切るかが難しい。 現状でも、MEZZOとかマリア様とか見てられない。録画したのはいいが、 処理しきれないので、そのままDVD-R行き。まとめている分、 あとで見やすいのだが、その時間があったら他のことしたいし、うーむ。 最近、再び見始めたのが、ミルモとハム太郎。 ミルモもハム太郎はなんだか最終回っぽい展開だが、 どうやらどちらも継続する模様。ま、区切りの部分なので 今は見て置いた方がいいだろうけど、

セーラームーンの感想も今日書こうかと思ったけど、 疲れたので明日あたりに。グランセイザーとは対照的に、 こちらはなんだか盛り上がってますな。

3月18日(木)

そーなんだ

そんなわけで、今週は「そーなんだ!」の感想強化週間と行こう (ここでノリのいい読者はちゃんと声を出して「そーなんだ!」と言うのだ)。

やっぱりというべきか、だんだん調子が出てきた。 各脚本家の個性が出ていて面白い。 それと、スズカとミオの可愛さっぷりが尋常じゃない。 各キャラの描き分けも出来ていて、いいシリーズに仕上がってきた。

サビの秘密 ★★。藤田伸三脚本

エネルギー工場のさびた部品を磨いて復旧する話。 謎のおじゃまメカが登場し、巨大ロボットが襲いかかってくる少々ありがちな流れ。

せっかく、敵対しているチームで、力を合わせてロボットと戦うという話なのに、 結局失敗する救いのないオチ。サビつかせて倒すというのも少々工夫不足な気が。

姫の笑顔を取り戻せ ★★★☆。武井由美脚本

氷をできるだけ溶けずに目的地に届ける話。 真空魔法瓶方式を思いついたユキオチームの方が結局勝利しているが、 実際、これは難しそうだし、どこまで効果があるかも気になるところ。 岩塩を使い温度を下げる方法がやっぱり正解だと思う。

それとそもそも、周辺に岩塩があるなら、 あの湖が淡水湖でない可能性が高いのだけどなぁ。色々と気になった話。

蒸気機関車の秘密 ★★★★☆。福嶋幸典脚本

この回は面白い。 まず、ボイラーの蒸気圧が低くて、汽笛が鳴らないとか、 砂を撒いて滑らないようにするなどのミニ知識が多いし、 牛に襲われたので、タンクに穴が開いてしまったなど、話の展開もうまい。 それに、石炭くべるのも手伝わず、風を受けて上機嫌なスズカが、 トンネル抜けたら…というくだりも楽しい。

幽霊船の秘宝を探せ ★★☆。富田祐弘脚本

これはかなり救いがない展開。特に、慎重なユキオチームは、 舟も緻密に作っているし、トラップもちゃんと発見したのに、 謎メカのあの仕打ち。秘宝が一体どこにあったのかも解らなかったし、 ユキオ達があまりに可愛そう。 ま、この先の成功話を盛り上げるための話だったというわけだろうな。

守り神を連れ戻せ ★★★★★。横手美智子脚本

傑作。 今回は、科学という要素に加えて、アニメ「一休さん」的な頓知もある見事な内容。 それと、指令内容に疑いを抱き、結局、オーロラではないかと、 大胆な推測をしたスズカちゃん激燃え。

私、根が意地悪だから、直感で解るのよ

…と言ったとか言わないとか(言ってない)。 ユキオも、スズカのこういう大胆な仮説は、結構気に入っているのではないか。 なかなかいいカップルだ。

神殿が崩れた事に注目させて、 川の流れが変わった問題には気づかせないようにする演出も巧妙 (かなり早い段階で、鋭い人間は気づいたかも知れない)。 そして、ユキオチームが守り神と全く同じ状況を再現したのに ミッションクリアにならない辺りから徐々に「なるほど」 と気づく微妙なバランス感が見事。

ダイヤを集めろ ★★★★★。武井由美脚本

ダイヤを1kg集める話。宝石に目がないスズカとミオが大活躍する。 特に、ブルーライトを作るのにセロファンを使えばよいと気づくとか、 どうやって1kgを計量するか思いついたり(この頓知は面白い)、 いつになく、スズカが冴えまくりで激燃え。 自分の体重を量るシーンとか、スカートのポケットからダイヤを 取り出すしぐさとか可愛いらしいシーン満載。私を殺す気か。 トレーニング中のミオも可愛いけど、こっちは少々あざとすぎる (単に新明解がスズカびいきなので、そう感じるだけかも)。 スズカは恐らく蜂の巣と格闘したはずだろうけど、 そのシーンが省略されてたのはちょっと残念。 内容充実なせいで、入りきらなかったかもしれない。

オチもよくまとまっていて傑作。

恐怖の森を突破せよ! ★★★★。藤田伸三脚本

今回の謎のお邪魔メカは、攻略できる程度の邪魔をしていた気がしたので、 なんかその点では過去のエピソードとの統一感がない気もするが(特に富田脚本回とか)、 そうは言っても面白い回。

特に触覚に二回モノをぶつけると閉じるくだりは、 映像をよく見ていれば気が付くようになっており、なかなか巧い。 再び蓋が開かないように固定する仕掛けなど、むしろ、この回は、 敗者のトモルチームの方が工夫が多かった。いい工夫をしているチームの方が、 敗者になってしまうという展開が、結構よくあるなぁ。 でも、それはなかなか面白いかも。

今回のスズカ。食中植物が襲ってくる理由を、 コータの頭のサボテンであると自信満々に推測した後、 結局間違っていたのでいかにも彼女らしく謝るシーンとか可愛らしくて最高。 私を殺す気か。

サボテンのトゲトゲのせいで荒々しくなった、やるきまんまんなコータも面白げ。

3月11日(木)

イノセンス ★★/△

まず、前置きするけど、私は、アニメファンにしては、 押井守氏の作品はあんまり観たことがない方である。 わりと真面目に観てたのは、テレビ版のうる星やつらの頃ぐらい。

でも、パトレーバー関係ではテレビシリーズを含め、 いくつか観た記憶がある(それは、自主的に観るというパターンはなく、 誰かから見せてもらうということばかりだが)。 それに、アニメの情報をいろいろ集めてりゃ、興味がなくたって、 押井氏の情報は少しずつ入ってくるし、名古屋で開催されたJDAF2003の時は、 公開ワークショップを観ていたので、随分長い時間、 押井氏の話を色々聞く機会があった。

OVAシリーズ版(今、テレビでも放送中)の攻殻機動隊は何話か観てたので、 事前知識はあったし、 さらに、私が関心を持っている愛知万博にも押井氏が参加するということもあって、 それが一体どうなるものかが非常に気になる事もあり、 今回の映画は観てみることにした。

食わず嫌いの可能性だってあるわけだし。

そして、作品を観ての感想だけど、まず、 私の直感は間違ってなかったなということを感じた。この人の作品は、 やっぱり、私は好きじゃない。ま、退屈したかというとそんなことはないし、 作品の伝えたいものにはかなり独自性はあるとは思ったが、 要するに作品に感情移入できなかったという話。

さらに、正直な気持ちを書いてしまうけど、 押井氏作品を観ていて、私が一番不安に思うのは、 こういう作品が、世の中で高く評価され、世の中で喜ばれ、 観客の心をつかむ理想の方向性だというんだったら、 アマチュアだけど、一応作品制作者でもある私は、 何も目指す先がないということ。

なんか、世の中には、押井作品をすごく高く評価している人が 少なくないんで、私が作品を観る力もないバカというだけじゃないかと、 不安になってくる(不安じゃなくて、実際、そうなのかもしれない)。

でも、さすがにそこまでは行っていないと思う(信じたい)。 やっぱり、この作品はカルトの領域だと信じたい。

そんなわけで、以下に色々ネタバレを含めた感想を書いた。ちなみに、 まだ、作品を観てないので、ネタばれはいやだ。読み飛ばしたい…という人は、 3月8日の感想へどうぞ。







まず、この作品は、映画のタイトルは単に「イノセンス」なっている事もあり、 一応、原作はあるものの、攻殻機動隊を知らない人にも、 わかるものにしているのかと思っていたのだが (映画クレヨンしんちゃんとか、テレビ版なんかろくに観てなくても楽しめる)、 全然そんなことがなかった。攻殻機動隊をある程度知らないと全然ダメな作品。

作品を知らないと解らない用語が多いのは、まだ我慢はできるだろうが、 一番、ひどいなと思ったのは、少佐の出し方。 彼女がどういう事情でそうなったかということを全く描いてないから、 重要な終盤に突然出てきて、知らない人はちんぷんかんぷんだったと思う。 そこは酷すぎ。あまりに不親切すぎる。

私は一応テレビシリーズの攻殻機動隊をいくつか観ていたので、 その辺りは問題なかった。そして、この作品はいろいろ丁寧なのに、 どうして私はこの作品に、気持ちが乗らなかったのだろうか、 いつも通りに間違いを恐れず、色々考えてみた。

まず、一つは、作者が言いたいことの大半が言葉(セリフ)で 表現されてしまったからじゃないかということ。

子供とか、動物とか、人形とか、いろいろ語っているシーンがある。 この大半が良くない。

榊原良子声のおばさんと話していたシーンでは、 無表情だけど何かを訴えようとするかのような人形を背景に、色々話しているから、 言葉が入ってくる感じがする。ここはまずまずよい。

でも、ほかのトークの大半は、そのテーマに無関係な小綺麗なCG映像や、 美しい風景などを背景にしゃべくってるのが多いので、全然入ってこない。 特に、まだ社会性を身につけてない子供について説明しているところなんかは、 頭に入りにくかった。どんどん言葉でまくしたてられた感じ。

もし、これが普通に誰かと話している場合だったら、 オレは「ちょっと待って」と、もう少し詳しい説明を求めると思う。 じゃないと頭に入ってこないから。小説だったら読み返すと思う。

でも、映画などの映像作品の場合は、そんなことはできないから、 それを補う映像や、十分な間や、少々冗長な繰り返しなどで、 それを補完する必要があるんだと思う。 なのに、この映画ときたら、そのキャラが言いたい事が、 私のような頭の悪い人の頭に定着する前に、どんどん次のシーンに進んでしまうのだ。 映像での補完も全く不足しているから、頭の悪い私は置いてかれてしまった感じなのだ。

もしかして、「私の言ってることはヘンタイなので、 一度しか言わないよ」という意味なのか(おいおい)。

二つ目の問題は、3DCGなどの技術を使った映像は、 確かに非常に高いレベルにあるのだけど、 単に綺麗なだけという印象が強かったこと。

物語の背景画としての3DCGなどの使い方は見事で、 電光広告などが、電脳未来な中国風味をうまく描いていたし、 祭の巨大人形も面白い。 でも、それらの映像の大半が、物語の根幹に動的に絡んでない感じがした。 確かに祭の巨大人形、そして、その後、焼かれる人形は、 関連性はあるので、物語の雰囲気を強化することには、 役立っているとは思うけど、物語に「直接的」にひっかかる 3DCG技術が見あたらない。そんな感じがした。 意味を示すのにあまり3DCG技術が使われていないと言ったらいいのか。

その事に関連するかもしれないけど、 ウィルスに侵入された時の、コンピューターシステムの映像表現。 なんだかこれは綺麗なだけで全然伝わってこない。 しかも、中国語を使ってるからと、字幕を使っているから、視点は、 意味不明なコンピュータシステムイメージではなく、字幕の方に集まってしまう。 従って、ますます全然映像が頭に入らなくなる。

前々から思っているのだけど、コンピューターのシステム状態が、 グラフィック化される必要性は、その時、 そこに何が起こっているのかという事を、 瞬時に頭で理解するためにあるのだと思うんだけど、 それが出来ていないのなら、何もないことと大して違いはないんじゃないだろうか。 ちょっと言い過ぎなのだろうか。

それから三つ目。あの何度も繰り返すシーン。各シーンの微妙な違いの意味が、 解る人には解るのかもしれないが、私には解らなかった。 何度も繰り返し、たっぷり時間を使ったシーンなんだから、 もう少し、万人に解りやすいネタで攻めるべきだったんじゃないだろうか。

そもそも、目を盗まれる話は、攻殻を知っている人にとっては、 あまり新鮮なネタではないし、この映画は、 攻殻を知らない人に向けた作りはしていないので、 どっちにしても中途半端だと思う。

最後に、アクションシーン。前半は色々特徴のある面白いシーンが多いけど、 後半は、結局、銃をバンバン撃ち合うシーンとか、 ゾンビのような連中と戦うシーンなど、ありきたりなものに、 終始してしまった。クライマックスで、 凄いものでも出てくるかと思いきや、わりとあっけない終わり方だし。

ま、そんな感じで色々しっくりこない作品ではあった。 観て損したとは思わなかったけど、せっかくの高い技術が、 私にわくわく感をあんまり与えてくれなかったなとは思う。 そう感じることが私の観る日本の映画には多い気がする。

ところで押井氏が、愛知万博に出すものについてだけど、 いくらなんでも、ここまで小難しいのはやらんよな。いや、やりかねないか。 展示映像の意味が理解できず、呆然とする老人クラブで来たおばあちゃん …というのを、実は押井氏は期待しているのかもしれない。 確かにそういうシーン自体は絵になるよ。





3月8日(月)

デカレンジャー(4話)★★★★★

サイバーダイブする話。東映戦隊シリーズのデジタル表現というのは、 どうしていつもこうもアナクロなんだろ。 端末とか転送装置とか、なんだか、信じられないデザイン(笑)。 もうこうなってくるとわざとだろうな。

それはともかくとして、バンが跳び蹴りするシーンには爆笑。 なかなか熱い演出だ。拳で語り合う見事な演出。 ウメコとジャスミンの二人にもこんな熱い演出を期待したい。

それにしても、バンはマシンドーベルマンに、 ジャスミンちゃんといつも同乗できるのか。 羨ましすぎる。羨ましすぎるぞ。

サイバーダイブは、やはり、マトリックスを意識しているとは思うのだが、 しかし、さすがは本家東映戦隊モノ。他のパクり方とはやり方が違う。 小手先の小綺麗な映像よりも、気合いの入ったアクションシーンの 丁寧な積み重ねで攻める。実に素晴らしい。 テレビシリーズなのに、あらゆる事が気合いが入っている。

で、今週のジャスミンちゃん。

あっと驚くタメゴロー

…は、あまりにも古すぎな気もするのはともかくとして、 私としては、ちょっといまいちだったのだが、ウメコが、

みんな早くキテー!

と叫んだ後に(ちなみにウメコには特にCLASSは用意してません。ピンク色はデフォルト)、

キタ

…と言って駆けつけるのは爆笑。これこれ、こういうのを私は求めているんだ。

あと、エンディングでの宇宙人かもしれないジャスミンの演出にも爆笑。 私は宇宙人と見せかけて実はメカというのに期待しているが(おいおい)。

今回も期待を裏切らない出来だった。

それにしても、この回はテンポが非常に良くて特に傑作だったな。

3月1日(月)

デカレンジャー (1-2話)★★★★,(3話)★★★★☆,(木下あゆ美)★★★★★

感想書くのがすっかり遅れてしまった。 傾向としては、特撮映像感では、ゴーゴーファイブとかタイムレンジャー辺りと 雰囲気が似てる気もするが、キャラ描写的には、カーレンジャー辺りに近いか。 今回の場合、ウメコ(ピンクの人)と、ジャスミン(黄色の人)の、2人の女の子戦士が、 揃いも揃って変人なのがユニークかも(おいおい)。

ウメコの方は、暇さえあれば入浴中で、戦隊を仕切ろうとして ツッコミ入れられたりと、最初っから、わかりやすいキャラ描写。

一方のお姿麗しいジャスミンの方は、最初、普通にクールな方向性を目指しているのかなと 思っていたが、第2話を観ていたら、

ジャスミンのドーンとやってみよう。ドーン!!

…などと任務遂行中に奇妙な言動があって、 「あれ?」と思っていると(他にもワンツーパンチというのもあったな)、 続いて、第3話では、

とめどなくトドメ!!

とか、 エンディングでは

通信の他にモロモロ可能(はあと)

とか、 ヘンテコ言動にどんどん調子が出てきて (その時の笑顔がこれがたまらん可愛さで私を殺す気か)、このままだと、 実はウメコ以上に変人路線を目指してくれそうで、大いに激燃え。 私を殺す気か。 このジャスミン見たさに、番組を見続ける事が決定してしまった。 そして、エンディングのジャスミンのダンスの微妙さがタマらない。 あの微妙さは誰にも真似できない。あの動きでなくてはならない。 絶対他の動きはアリエナイザーだ。恐るべき木下あゆ美!! 今年は木下が面白い!!

一方、特撮の方は、お馴染みのロボ戦だけではなく、合体前にも、 ギミック満載の面白げな映像多彩。ロボの動きもなかなか。 でも、デザインはいまいちかなぁ。犬頭長官はとても面白い。

それにしても、石野真子には驚いた。当初は、そのコスチュームデザインも含め、 少々痛みを伴ったが、もう慣れた(おいおい)。

物語的には第1-2話は、気合い入りまくりだけど、 少々、物語を詰め込み過ぎな印象。説明セリフも少々多めなせいか。 第3話は、整理できてるし、いい感じに盛り上がってると思うが、 こっちはオチがちょっと読めてしまったか。ウメコのヒゲ姿がとてもよい。

ところで、最後のジャッジメントタイムネタだが、裁判というのは、 そんな天才クイズみたく、単純な○×で決められるもんではないぞ!! そんな安易にデリートしちゃっていいのかよ。 脚本家は人権というものの大切さをまるで解っちゃいない。だから商業作品は…!!

…などと言うつもりはない(おいおい)。ま、面白げでいいんじゃないかと。 現実世界はとかくスキっとしない事が多い(それは仕方ない)からねぇ。


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Last Modified on Saturday, 25-Aug-2007 14:20:04 JST