間違いだらけの日々思ったこと(2005年7月)

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7月10日(日) - 絶対少年

絶対少年 - ★★★★★☆(8話)

伊藤和典脚本。望月智充絵コンテ。 いきなり第8話の感想を書くのもなんなので、軽くおさらい。

とにかくこのアニメは贅沢だ。そのひとことに尽きる。

展開的にメリハリのない描写で、作品開始数話を費やすことは普通の商業アニメでは難しい。 NHKだから、伊藤和典だから許されることなのかもしれない。 私自身は、伊藤和典脚本の作品は、しばしば小難しいことをキャラに喋らせるので、 苦手意識があり、第1話、2話で、逢沢父とか、月読天文台の男とかのセリフを 聞いた時、あらら、予想通りかという感じだった。

しかし、その積み重ねは無駄じゃないことを後で知る。 第3話で、名物アナウンサー須河原登場 で一気にテンションが上がり、そこからは、もう生き生きした人物像を安心して見てられるそんな感じだった。

そして、そのテンションを保てたのは、望月智充のヘンタイという領域にも近いような 絶妙の絵作りの貢献が大きい。本当に望月はオンナノコを描くのが大好きなんだなと思う。 望月監督ということで期待してたけど、正直、期待以上だった。 しかも、私が応援してきた三橋加奈子が声を担当する美紀をとても可愛く描いてくれる。 彼女の特徴的な声がその演出にも生かされてる。 本当に彼女を応援してきてよかったと思う今日このごろである。

そして、今回の第8話。 突然、いろんな謎解きが始まった。今まで地味に張ってきた伏線が少しずつ回収され、 ここでちょっとしたクライマックスを迎えた。 わくわくしてきた。この先、何を描こうとしているのか。 まだ制作の意図が読めない。そう思う作品の先には何もなかったことも多かった。 でも、この作品はあるような気がする。そう思わせるインパクトだった。

ところで、三橋加奈子メッセージボードで彼女は以下のように書いている。

この後、絶対少年で私はある山場がありました(笑) 何話とかどんなシーンとかは、あえて内緒にしておきます・・・。 みんなには、「え?そんなとこないじゃん!」って思われちゃうようなところなんだけどね。私にとっては大変だったし緊張したんだなぁ(笑)なので、予想してみてね。

深山美紀がキャラごとに声を変えつつ、楽しげに語る猫にまつわる昔話。 ここが彼女にとっての山場だったんじゃないか。 私はそう思った。その語りは私にとって、この上なくやさしい声だった。

作品としては★五つ。でも、この声に★の半分、即ち、☆を加えようと思う。

それと、須河原役の松本美和。私は、 ウェディングピーチのじゃ魔ピーの頃から知っていて、 あの頃は緊張しているなあという印象がやや強かったけど、 その後は、おジャ魔女どれみシリーズなどに時々登場し、毎回、うまい演技をするので 密かに注目していた。しかし、本作ほど彼女を輝かせた作品を私は知らない。 いい役に恵まれて良かったなと思う。

7月9日(土) - シュガシュガルーン

シュガシュガルーン(新) - ★★★☆(1話), ★★★★(2話)

吉田玲子脚本。

東映やピエロや佐藤順一系とは、画風などちょっと趣が異なる魔法少女系アニメ。 大きなお友達にはウケが悪いかも知れないが、女の子には受ける予感。

まず、松本まりかの破壊力に慣れるかが問題となるが、私は1ツポ秒で慣れた…というか、 お風呂で「ぶっとばす!」と叫ぶシーンには、もうクラクラ来てる気もする。

この手の魔法少女の類の第1話は、設定説明が多く、どうしてもあっけなく 終わるという感じになるが、この作品も少々駆け足気味の内容。 2話からだんだん作品のノリが分かってきて楽しくなってきた。 魔法がかけられた時の周囲の映像が変わる効果が気持ちいい。

さて、三橋加奈子。いわゆるクソガキ系やられ役だが、出番がかなり多くて驚いた。 主人公を名字で何度も呼ぶけど、なんだか、私のためのサービスですかねえ(笑)。 声は普通にキルア風の声を使ってる感じ。ラジオ番組「HxH R」でのコミカルな演技の 積み重ねがここで役立ってるな。楽しい、楽しいぞ。

それから樋口智恵子がお嬢様役とは、これまた珍しい。 普通にこなしてるので樋口智恵子とは全く気づかず。 海外留学から戻り、再び声優活動が増えていく模様。

あれ? そういえば、なんだかこのキャスティングって、普通に舞台化とかもイケますねえ。 それも視野に入れてるのかなあ>MMV。

で、今日は特に深山美紀が大活躍の「絶対少年」の感想は明日あたりを目標に。

7月7日(木) - 涼風

なんか気がついたら半年も書いてなかったや。 もう忘れ去られてしまっただろうなあ。 まずは、三橋加奈子出演系を中心に少しづつ書いていくつもり。

涼風(新) -「期待」- ★★☆/△

ときたひろこ脚本。三橋加奈子が出てるから点数高めに…というわけにはいかないかなあ。 ま、私が三橋加奈子ファンであることは、この先の出演作品がどうなろうが不動であり、 彼女がどう思っていようが、私の側は一蓮托生のつもりなんだと覚悟を決めているんだけど(すげーこと書いてるな)、 作品については、率直な感想を書くということも、私の永遠の芸風なわけで、 その辺は許して頂きたい。

誰に?と訊かれると困るが。

さて、さっそく、感想だけど、正直、第一話にしてはインパクト弱い。

まず、鈴木真仁が全裸お色気キャラを担当するとは意外だったし、 テレビ東京作品でいきなり全裸というのにも驚いたが、 これがずいぶん淡白。作画も粗めかもしれないけど、 それより構図だなあ。最後には、全裸のおねいさんは猫背姿を俯瞰で捉えられてて、 あれれ全然艶っぽくないや…って感じ。

一方、現在放送中の「絶対少年」は、全裸とかないけど、本当に凄い。 あんな構図で全裸シーンとかやったら、そりゃ大変なことになっちゃうけど(笑)。

それから、眼鏡っ娘。キャラデザ的にはすごくツボな雰囲気を持ってるし、 言動、行動もなかなか面白げな面があるんだけど、 抱きつかれたあとの展開とかこれまた淡白。 今時のちょっと媚び系な演出に慣れている人には食い足りないのではないかな。

で、問題の涼風。これがまた微妙。

いや、悪い意味というわけじゃないんだけど、この娘は、 ちっともわかりやすいリアクションを取らないんで、 どう演じるか考えちゃうだろうな…と思った。

声の高さとか、一体どの辺りに持って行けばいいかなとか、 三橋加奈子が手探りつつ演じてる状態を、作品観ながら、想像してしまった

…ということをここに書くべきだろうか…。

大丈夫だ。きっとこのページは誰も読んでない(おいおい)。

要するにこの朝比奈涼風ってのは、典型的なツンデレでも、 カニパンでのミルクのようなわがまま系の高圧的キャラでも、 真面目なばかりで誰も受け容れようとしない(或いは男だけを排除する) キャラでもないんだよな。素直なところと、素直でないところを微妙にさまよってる。

例えば、大和くんのあんな失態を見た後に、 食事シーンで斜め向かいで(カップルとして絶妙なポジション) 普通に食べてるでしょ。こんなのは全然キャラ的に分からない。 泣き出しちゃうのも突然過ぎてびっくりする。 あと、その自らの失態を見せた大和くんに普通に手伝ってもらって、 高跳びするのも唐突。

ひとことで言うと、物語として落ち着きがない。

まあ、確かに、実際の女の子ってのは、物語のようには分かりやすくは出来てなくて、 こんなようなことは普通にあるので(名古屋在住の私は、靴のマルトミの歌を思い出すよ)、 おかしくはないんだけど。 でも、声優や演出側にしたら、この微妙なバランス感を演じる(させる)のは難しいなと思う。

まだ原作漫画を読んでないけど、多分、流れは基本的に同じなんだろうなあ。

憶測めいちゃうんだけど、要するに、漫画原作者が、 まだキャラをどう使うか手探りしながらやってる段階のものを、 そのまま展開とか忠実にアニメ化しちゃったもんで、 難しい部分がいっぱい出てきた、そんな感じがした。

ただ、第一話が地味なものでも結構面白い感じに仕上がっていくことはあるし、 変に媚びてないところが私としてはむしろ好感が持てるので 結構好きな作品になっていく気がする。

正直言って、私自身、近年のアクションとか多めな、少々あざとい媚び萌え系にはへきへき …じゃなくて辟易してるし(←言ってることと、過去に作ってた作品が全く一致しない気がするが)。

予定では半年になるようだけど、漫画原作アニメにありがちな、 原作作品の展開に忠実に従ってしまった結果、尻切れな終わりになるという形にはせずに、 なんでもいいから、着陸のよい最終回としてまとめて欲しいなと思う。

ま、しかし、自分が長く応援してた声優が、 作品のタイトル名にもなってるヒロイン役を演じることになることは、 本当に嬉しいものだなあ (ネギまの後番組ということもあって、 アニメに対する強い批判も予想されるから、複雑な気持ちもあるにせよね)。

一方、望月智充氏の良さが発揮されている「絶対少年」の方は、 言わずもがな、もっと評価点高いけど、その感想は後日ということで。


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Last Modified on Saturday, 25-Aug-2007 14:20:07 JST